THE CURSE OF CHALION

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『チャリオンの影』ロイス・マクマスター・ビジョルド創元推理文庫F〉読了
ヴォルコシガン・シリーズのビジョルドのファンタジー新シリーズ。

敵国の捕虜となり、19ヶ月もの間ガレー船の奴隷となっていたカザリル。
運良く解放され、以前世話になったバオシア藩太后を頼ってチャリオンに戻ってきた。
学識豊かで、人格も清廉な彼はそこで、お転婆なイセーレ姫の教育係を任じられる。
彼女との信頼関係も生まれ、平穏な日々がすぎる。
しかし、国主からイセーレと弟のテイデスが宮廷に上がるように命じられる。
現国主は宰相兄弟の言いなり。しかも、カザリルを敵国に売ったのはその兄弟だった!
カザリルを消し、姉弟を我が物にしようと陰謀がめぐらされる。
さらに宰相の弟はイセーレと結婚を決めてしまう。
ガザリルは、自らの命と引き換えに、庶子神の呪いで弟を殺そうとするが……!

『スピリット・リング』がぶっちゃけつまらなかったんで、全く期待してなかったんだけど、これは意外な当たり。
冒頭の町の様子から、異世界の生活に引き込まれる。キリスト教圏とイスラム教圏をモデルにしてるんだけど、それもうまい感じにファンタジーに構築されている。
派手な合戦も、魔法も、妖怪変化も出てこないんだけど、カザリルの智謀と人格で陰謀を乗り切っていくのが、なかなか読ませます。
そもそも、主人公が渋いおっさんっていうのがいい(35歳だけど……)
ベトリスいいなぁ〜
3部作らしいので、早く続きが楽しみ。
オススメ。