SEVEN ANCIENT WONDERS

7ワンダーズ 上巻

7ワンダーズ 上巻

7ワンダーズ 下巻

7ワンダーズ 下巻

あらすじにそそられて着手。YA小説っぽいところが気になる……
『7ワンダーズ』マシュー・ライリー〈早川書房〉読了

かつて、ギザの大ピラミッドの頂点に据えられていたという黄金のキャップストーン。それはアレキサンダー大王の手によって7分割され、世界の七不思議の建造物に隠されたという。
それを再び集め、タルタロスの日に儀式を行えば、世界を1000年の間支配できる力が手に入るという。
儀式の日は近づき、バチカンを中心としたヨーロッパ連合アメリカは、捜索に乗り出した。
一方、大国の支配を阻止するため、オーストラリアやアラブ首長国連邦などの小国家連合は9人の戦士を選び出した。
ここに世界の命運を賭けた三つ巴の戦いが始まろうとしていた!
コードネームで呼び合う特殊部隊の仲間、世界の七不思議、各国混成軍と大好物ガジェット揃いなんだけど……
アクションに継ぐアクションなのに、緩急も深みもないから、読んでて非常に退屈。
チーム・アメリカ』のモンタージュの曲が聞こえてきそうな小説って言うのはなぁ(笑)
アメリカvs.ヨーロッパvs.小国家連合
物量vs.知識vs.正義
メーソンvs.カソリック
イスラムテロリズム
と敵対関係があって、ネタ的にはこてこてのエンターテインメントになるはずなんだけど、作者がまるで御しきれていない。
あちこち説明不足だし、結局アメリカとの戦いになっちゃって、ヨーロッパはあんまり出てこないし、主人公チームのメンバーも造形が薄っぺらいから見分けつきにくい上に、見せ場が描かれていないキャラがいるって言うのはどうなの。この手のお約束の、それぞれの特技もないしね。
あんまり言ってもしょうがないので、ここらで〆。
これなら『スプリガン』読んだ方がよっぽど面白い。
オーストラリア万歳的(作者がオーストラリア人)なラストはちょっと笑える。


カズムシティ (ハヤカワ文庫SF)』を意固地に一冊で出すなら、内容スカスカなんだから、これも上下巻にしないでよ。