NEWTON'S WAKE

ニュートンズ・ウェイク (ハヤカワ文庫SF)

ニュートンズ・ウェイク (ハヤカワ文庫SF)

『ニュートンズ・ウェイク』ケン・マクラウド〈ハヤカワSF1575〉読了
最近、続けて出ているシンギュラリティものの新刊。

超知性体に進化したAIとの戦いに人類が敗れ、数世紀。
AIは何処ともなく姿を消し、生き残った人類は、AIの残していった超技術をサルベージして生活していた。
宇宙は経済・政体などで、カーライル家、啓蒙騎士団、アメリカ・オンライン、民主共産主義連合の4つの集団に別れていた。
カーライル家のルシンダは、ワームホール・ゲートの調査のため、惑星エウリュディケにたどりつく。
そこで休眠していた戦闘マシンを目覚めさせてしまい、部隊は退却、彼女は捕虜となってしまう。
この星は、どの集団にも属さず、AIとの戦争を逃げ延びた人々の子孫が暮らしていたのだ。
彼らは、初めて自分の他にも人類がいることを知る。
ルシンダは、これをカーライル家の利益につなげようとしていたが、
エウリュディケ側は啓蒙騎士団に協力を求めてしまう!
さらに、ワームホールを自在にできる技術があるらしい……
エウリュディケを巡り、戦争が始まろうとしていた!

んん〜。
最後まではまれず、時間だけを浪費(途中で読むのやめられないタチなので)。


薄べったいと言うか、平べったいと言うか。
登場人物が多い割には群像劇でも、贔屓にしたくなるキャラがいるわけでもなく、
宇宙が4つの集団の割には、あまり各集団の個性が見られず(啓蒙騎士団はすぐハラキリするサムラーイくらいに書いてくれないと。それはそれでアレだけど)、
ガジェットが沢山出てくる割には、かなりおざなりに使い捨てで……
とにかく、全体的にあまり特徴がないんだよなぁ。
イデオロギーの衝突がないのなら、別に4つの企業体みたいな感じでもよかったような。
しかも、2つはあまり出てこないし。


AIが特異点を突破する際、数多くの人間が強制的に情報化され、仮想現実に囚われているんだけど、
それがメインの話を読みたかった。
作者はそれを書きたいわけじゃなかったのかもしれないけど。


とにかく個人的にはハズレ。
続けて、ハヤカワのシンギュラリティ以後の新スペースオペラを読んだけど、
やはり、ストロスが一番好みかな。
しぱらく、スペオペは食傷気味……