The Shadow Cage and Other Tales of the Supernatural

幽霊を見た10の話 (世界児童文学の名作B)

幽霊を見た10の話 (世界児童文学の名作B)

『幽霊を見た10の話』フィリパ・ピアス岩波書店〉読了
小学生の国語の教科書に載っていたある作品。
ひじょうに印象深く、また読みたいと思って二十数年。
それがフィリパ・ピアスの「水門で」だと判明したのが去年。
短編集に収められていることもわかったものの、
絶版だし、古本屋でもさっぱり見つからず。
ところが、今年の復刊フェアに出たのでさっそく購入。

・「影の檻」
・「ミス・マウンテン」
・「あててみて」
・「水門で」
・「お父さんの屋根裏部屋」
・「ジョギングの道づれ」
・「手招きされて」
・「両手をポケットにつっこんだ小人」
・「犬がみんなやっつけてしまった」
・「アーサー・クックさんのおかしな病気」

「水門で」
 製粉所を営む家。
 そこの長男ビーニィはみんなに愛され、無論僕も彼のことが大好きだった。
 しかし、戦争が始まり、ビーニィは召集される。
 休暇で帰ってくるが、以前のように遊んでくれなくなり、一人でいることが多くなる。
 再び戦場に戻った、ある夜。
 嵐のような豪雨が襲う。
 父が水門を開けに行くのについていった僕は、
 そこで、父を手伝うような影を目にする……
 全てが記憶通り。やはり、いい話だ。


他にお気に入りは、
「影の檻」「お父さんの屋根裏部屋」「ジョギングの道づれ」「両手をポケットにつっこんだ小人」あたりかな。
もっと古典的な幽霊ものかと思っていたら、かなりモダンホラーっぽい。
むしろ、もともと古典とモダンホラーの境界線なんて、存在しないのか?


というわけで、20年来の探求作品が読めて満足。
次は「エミリーの赤い手袋」がまた見たい……