WINDS OF CHANGE

『失われし一族』マーセデス・ラッキー創元推理文庫F〉読了

〈暗き風〉の指導のもと、魔法の修行を始めたエルスペス。
しかし、〈暗き風〉は彼女に対して恋愛感情に似たものを抱いており、どうもうまく行かない。
そこで、鷲獅子のトレイヴァンたちが教師になることに。
一方、スキッフは〈もとめ〉を持ったまま姿を消したナイアラの捜索に出る。
行方不明になっている一族を見つけ、〈要石〉を何とかしなければならないため、
〈暗き風〉は他の一族に助けを乞う。
それに応えたのが、ク=トレヴァ族の〈炎の歌〉。
圧倒的な力を持ち、さらには想像を絶する美形。
明らかに彼に惹かれているエルスペスを見て、〈暗き風〉は激しく嫉妬。
そんなとき、正体不明の敵から〈谷〉が攻撃される!
倒したはずの〈隼殺し〉なのか!?
そして、〈炎の歌〉の計画とは?

THE MAGE WINDS三部作の第2巻。
前巻から1年半ぶりなんで、内容は忘却曲線の遥か底。
冒頭にあらすじがあったからサルベージできたけど。
もうチョイ早く出して欲しい。


前半はあまりそそられず、
下巻の半分過ぎた辺りから、急展開でやっと目が離せない状態に。
普通のファンタジーなんだけど、
この後の事件や、他のキャラクターのエピソードが気になって、
続きを買わねばならないのが、クロニクルのずるいところ(笑)
ところで、ヴァルデマール用語集って、今まで巻末についてなかったっけ?
用語がわからん


超絶美形の白ずくめの魔法使いと、猫耳の少女って狙いすぎだよ(笑)
こういうのも嫌いじゃないんだけどさ。
エルスペスも〈暗き風〉も、イマイチ主人公たちに魅力がないんだよなぁ。
その分、鷲獅子と〈炎の歌〉が、いいキャラクター。ナイアラがちょっと惜しい感じ。
エルスペスの師匠の師匠もちょっと登場。オイシイよなぁ。何歳? ケスリーも生きてんの?
でも、今回最高だったのは、隼のヴリーの「ゴ、ゴメンナサイ〜」のシーン。
萌えました。


このシリーズの幸であり不幸なのは、
最初に紹介されたのが(ホントは違うけど)『女神の誓い (創元推理文庫)』ってことだろうなぁ。
タルマとケスリーのコンビが強烈すぎて、
その後に訳されたシリーズが、「二人が出てない」という印象が強い。
本当はタルマとケスリーの方が、外伝扱いなんだろうけど。


とりあえず、今年中に3巻を出して欲しい。
あと、THE HERALDS OF VALDEMAR三部作も。

他の方の感想
http://d.hatena.ne.jp/tadanoat/20060203