2005年6月号

S-Fマガジン 2005年 06月号

S-Fマガジン 2005年 06月号

スプロール・フィクション特集3
今回はSFジャンル内作家からのセレクション
すんなり読める作品ばかりだったけど、
その分、違和感的なものを期待するのもなくなっちゃったかな。


翻訳作品は3作


・『志願兵の州』……クリストファー・ロウ
さっぱり、わけわからん。
あらすじも書ける自信がありません。
絶賛の声と同時に、批判もあったらしいけど、後者に同感。
これ、なんなんだろ?


・『抱擁もて新しきもの迎ふる神』……ベンジャミン・ローゼンバウム
獣のような種族の世界。
そこでは、ゲナングという生物を体に寄生させ、それが記憶の装置となっていて、
それを受け継ぐことによって、以前の持ち主の経験なども自分のものにできるのだ。
ヴルは大彫刻家ハーンクリターキーの弟子。
ある日、他の先輩を差し置いて、彼が新しい神像を作ることになる。
彼はゲナングを持たない奴隷の姿にインスピレーションを受け、
新たな神の製作に取りかかるが、彼が選ばれた本当の理由は……
これも、SFなのかファンタジーなのか? という批判があったみたいだけど、
個人的には結構好き。


・『未来の家』……リチャード・バトナー
町はずれにある、ブーメランのような形をした屋根の家。
興味をもったエディは、その家について調べると、
それは40年前に建てられたものだった。
その建築家は、これをきっかけに成功を目指していたが、結局この家は売れることはなかった。
毎日のように家を見に行くが、あばら屋だったその家を誰かが直しているようで……
トワイライトゾーン』っぽい話。
主人公が過去に紛れ込んでしまうのではなく、
過去に建てられた、未来を目指した家がこちらにやってくる、という感じかな。
今月ではこれが一番面白かった。


SF BOOK SCENEは短編集/アンソロジー/チャップブック


MAGAZINE REVIEWは〈F&SF〉誌
デイル・ベイリー『The End of the World As We Know It』
ロバート・ミューラー『Dutch』
が読んでみたい。