SUPER-FOLKS

悩みのスーパーヒーロー (1979年)

悩みのスーパーヒーロー (1979年)



カート・ビュシークアラン・ムーアが影響を受けたと聞いちゃ、黙っていられません。
どうしても読みたくて探していた本。


書き出しが、

ヒーローたちはすでに姿を消してしまった。
ケネディも死んだ。ダラスで暗殺者に撃たれて。
バットマンとロビンも死んだ。バットマン愛用のバットカーが郊外に黒人生徒を運ぶ通学バスに突っこんだのだ。
スーパーマンもいなくなった。おそらく、クリプトンすい星がワシントンを直撃したとき、死んでしまったのだろう。
マーベル・ファミリーは雷に打たれて死んでしまった。

とあったら、アメコミ者は、思わず立ち上がっちゃうでしょう。


スーパーヒーローが全ていなくなり、最後に残った最強のヒーロー、インディゴ。その彼も超能力の衰えから、8年前に引退。今ではデイビッド・ブリンクリーという平凡な新聞記者となり、妻と二人の娘の四人で郊外で平凡な人生を送っていた。
ヒーロー時代、あんなに自分も送ってみたいと思っていた平凡な人生。だが、いざその生活になると、過去の栄光を思い出してばかりいる。
そんなある日、ニューヨークで大規模な暴動が起きる。
背後に人間でないものがいるという噂も。インディゴの登場が待ち望まれ、彼も内からわき出る熱いものに突き動かされ、ついにコスチュームを再び手に取る!


30年前の作品。ブラッド・バードも読んでんだろうなぁ。
ただ、こちらの作者は特にアメコミ者という感じがしない。
大勢の人間が分かるポップカルチャーとして、アメコミヒーローを題材に使ってるのかな。
でも、アメコミ者なら、ニヤリとする部分多し。
スーパーマンは死んだことになってるけど、主人公のインディゴは明らかにスーパーマンがモデル。
スーパーマンとしての悩みが色々笑える。
ヒーローは完全無欠よりも、人間くささがないと人気がイマイチとか、変身したときの背広の置き場所が困るとか。
特に性に関する部分が面白くて、思春期、透視能力をどうしていたのか? スーパーマンはスーパーセックスができるのか? やってる最中に助けを求める悲鳴が聞こえてしまったら?
などなど。


正直言って、キャラクター造型やら、文体やらは古臭いし、唐突なパロディ、登場人物が現れては消えて、その展開はどうなの? て部分がかなり目に付くけど、スーパーヒーローと彼らが活躍できなくなった世界情勢、年を取り、過去の栄光を思い出すヒーロー、ヒーローのコスチューム専門のテーラー
アメコミ者なら、探す価値あり。