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ホミニッド-原人 (ハヤカワ文庫SF)

ホミニッド-原人 (ハヤカワ文庫SF)

『ホミニッド―原人―』ロバート・J・ソウヤー〈ハヤカワSF〉読了


ルイーズが、カナダのニュートリノ検出器を操作中、突然密封されているはずの重水タンクの中に人影が現れる。
慌てて助けるが、その姿はまるでネアンデルタール人のようだった!
彼の名は物理学者のポンター。
ネアンデルタール人が進化した並行世界の現在から、事故でこちらの世界に転送されてしまったのだ。
一方、彼がいた世界では、同僚のアディカーが、ポンター殺害の罪で告発されていた!
ポンターは無事帰れるのか? 
アディカーは無罪を証明できるのか?


これどもか、というほどネタが詰まっているのに、
さくさく読めてしまうソウヤー節(ってのも変だけど)は相変わらず。
けど、いつもに比べて密度が薄いかな……と思いきや、これはまだ全3巻中の第1巻。
裁判や会話の過程で、ネアンデルタール人の生活や社会が語られていくスタイルは、
今までの作品と比較して語るなら、『イリーガル・エイリアン (ハヤカワ文庫SF)』が一番近いかな。
いつものように、章の頭とかにニュースが出て来るんだけど、なんか楽しそう。


十分に面白いんだけど、
まだ1巻だし、ソウヤーの続き物自体初めてなんで、感想はまだ保留。
これまでの作品に比べると、ミステリ味は薄いし、
「ああ、なるほど!」という点もなくて、
今後の展開に備えての説明、土台といったところ。
存在を知った二つの世界は、はたしてどうなっていくのか?
一番最初のレイプ事件がどう関わってくるのかが、非常に楽しみ。
メアリの心の傷のエピソードだけで終わらせるはずないよなぁ。


とにかく、早く続きが読みたい。
2巻は6月発売予定。