THE END OF ALICE

わたしがアリスを殺した理由 (扶桑社文庫)

わたしがアリスを殺した理由 (扶桑社文庫)

『わたしがアリスを殺した理由』A・M・ホームズ(扶桑社ミステリー)


ケッチャムが翻訳されなくなってから幾星霜……
(平積みだけは最近よく見かけるけど)
その寂しさを紛らわせるために、手に取ったのが本書。


二十数年間服役している〈わたし〉。
彼の元には、その犯した罪の特異さ故に、毎日手紙が届く。
しかし、彼が文通しているのはただ一人〈彼女〉だけ。
〈彼女〉は大学二年生。
〈彼女〉は12歳くらいの少年が好きで、毎日のように物色しており、
ついに機会をとらえ、彼と少年と接触する。
〈彼女〉からの手紙。
〈わたし〉の読者への語りかけ。
〈わたし〉の回想。
〈わたし〉の刑務所での生活。
〈わたし〉の妄想。
それが切れ目なく続き、なんともねっとりと淀んだ空気を作りだしている。
果たして、〈わたし〉が犯した罪とはなんなのか?
そして、〈彼女〉は?


ロリ、ショタ、ホモ、近親相姦。
半歩ずれたら、フランス書院な感じもするけど、
エロいと言うよりキモい。
かなり生理的嫌悪感を催す。
万人向けじゃない。
解説読むと、幼児虐待問題への問題提起らしいんだけど、
それなら、ケッチャムの『オンリーチャイルド』の方が強烈。


ちなみに、表紙はかなり素晴らしいとおもう。