SALAMANDER

サラマンダー―無限の書

サラマンダー―無限の書

『サラマンダー 無限の書』トマス・ウォートン早川書房)読了。


今年やった怪獣映画のノベライズだと思っている人も以外に多いのでは?(笑)


四六時中、部屋が動き続けるからくりの城に住む伯爵。
彼は無限に続く本を手に入れたいと考え、珍本作り名人のフラッドを呼び寄せる。
しかし、フラッドは令嬢のイレーナと恋に落ち、それが伯爵にばれて、地下牢に幽閉されてしまう。
そして、11年後。
彼の娘と名乗るパイカが牢を開け、母親探しと無限の書を作るための旅が始まる。


悲しみを誘うインク、水銀のような面から次々と字が浮かび上がる活字盤、重ねるほど薄くなる紙……
かなりそそられたんだけど、イメージが違った。
ひたすら本を作る描写だけかと思ってたのに、それはむしろ少なくて、
材料探しの旅の途中の奇妙な出来事がメイン。
まー、無限に続く本の製法も内容も詳しく書けるわけないけどね。
ただ、構成が小刻みにいろんなエピソードで書かれていて、
ある意味、どこからでも始まる本、みたいな作りになっている。
その分、どっしりとした感じが亡なくなっちゃってるけど。


ひたすら本だけのファンタジーってないかなぁ。