『マッキントッシュ物語』

マッキントッシュ物語―僕らを変えたコンピュータ

マッキントッシュ物語―僕らを変えたコンピュータ

マッキントッシュ物語』ティーヴン・レビー(翔泳社)読了。


去年、魂に新たな息吹を与えてくれた名著『暗号化 プライバシーを救った反乱者たち』『ハッカーズ』の作者による、マッキントッシュ誕生から90年代までの物語。


内容的には『ハッカーズ』の第2章(ハードウェアハッカー)の外伝みたいな感じ。
アイコン、ウィンドウ、マウスなんかが統合されたコンピュータはゼロックスが最初に開発していたそうだ。
知らなかった。
それをジョブスたちハッカーズに見せてしまい、そこからマックの歴史が始まる。
ゼロックスが気づいたときには遅かった。


この著者は、文系には退屈なプログラムや数字なんかは書かず、わかりやすく、かつドラマチックにいつも書いてくれる。
今では当たり前の、文字列をドラッグしてフォントをイタリックにするなんて動作を初めて見たときの感動なんかが非常によく伝わってくる。
こういうのがレビーは本当に上手い。
大局的に見ればマックの勝利。最初のチームの理想、マックが設計された、その背景にある思想は現在達成されたと言える。
しかし、それを実現したのはマッキントッシュではなかったのだ……という〆。


マックが登場した当時の熱狂と夢、そして今に続くマックユーザーが感じられる良書。
まー、俺はWinだけどね。