紙の迷宮
- 作者: デイヴィッドリス,David Liss,松下祥子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/08
- メディア: 文庫
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- 作者: デイヴィッドリス,David Liss,松下祥子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/08
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18世紀初頭のロンドン。元ボクサーの調査員ウィーバーの元に、バルフアと言う男が依頼に来る。彼は、破産して自殺した父は、実は殺されたのではないと言う。しかも、ウィーバーの父の死もそれに関係していると。調査を始めるウィーバーたが、イングランド銀行、南海会社、暗黒街の大物、謎の株屋の複雑に絡みあった陰謀と謎に巻き込まれていく……
うーん、面白かった。
こないだ読んだ『難事件鑑定人』とは違って、期待以上に面白かったわ。
上下巻だけど、長さを感じさせず、早く先が読みたくなる。
ストーリーもさることながら、当時の株の熱狂やロンドンの風景を見せてもらえて、非常に楽しめた。
主人公に様々に助言してくれる親友の遊び人の外科医エライアスがイイ感じ。
作者の次回作はウィーバーの祖父の代の話とか。
また、この作品の続きも予定されてるらしいけど、普通の探偵ものになっちゃわないように頑張って欲しいなー。
言い遅れたけど、当時のロンドンは株ブームだったのだ。
さらに、今までの金から、仮想的に金の価値を保証されている紙幣へと移ろうとしている、人々の欲望と不安の入り混じった時代。
そこで、株屋や銀行が活発に動いていたのだ。
歴史を学ぶってのは、過去を知って未来を知るため、なんて言うのは単なる大義名分。
なかなか未来を事前に知ることなんてできやしない。
1920年代、大恐慌直前に経済学者が言っていた言葉に、
「今のアメリカの土地や株ブームは、まるで膨れすぎたシャボン玉のようだ」ってのがある。
この作品に出てくる南海会社は本当にあった会社で、この会社の株が暴落したとき、サウス・シー・バブルと呼ばれたそうな。
泡は必ず割れるのに、何度やったら気づくんだか。
話が逸れたけど、オススメ。