20世紀SF6

20世紀SF〈6〉1990年代―遺伝子戦争 (河出文庫)

20世紀SF〈6〉1990年代―遺伝子戦争 (河出文庫)

『20世紀SF6』中村融山岸真編(河出文庫)読了。


6巻はとうとう1990年代。
所収作品は
・『軍用機』……スティーヴン・バクスター
・『爬虫類のごとく……』……ロバート・J・ソウヤー
・『マジンラ世紀末最終大決戦』……アレン・M・スティー
・『進化』……ナンシー・クレス
・『日の下を歩いて』……ジェフリー・A・ランディス
・『しあわせの理由』……グレッグ・イーガン
・『真夜中をダウンロード』……ウィリアム・ブロウニング・スペンサー
・『平ら山を越えて』……テリー・ビッスン
・『ケンタウルスの死』……ダン・シモンズ
・『キリマンジャロへ』……イアン・マクドナルド
・『遺伝子戦争』……ポール・J・マコーリイ


いつもながら、書評なんてものは書けないので簡単な感想。
全巻を通して、6巻が一番読みやすかったような気がする。
それだけ、現代っつーことかな。


気に入ったのは、やはり(笑)『マジンラ世紀末最終大決戦』。
やっぱ、日本人は実用如何にかかわらず、巨大ロボットは作らなくちゃダメでしょう。そう思わずにはいられない佳作(笑)。


『日の下を歩いて』。
月で遭難してしまった主人公。
ソーラーエネルギーの宇宙服だが、月の夜がすぐ迫っていた。そこで取った策とは?
かなりお気に入り。壮大な宇宙ものより、こういうすぐ隣の宇宙ものの方が好み。
『月は地獄だ!』よりも、まさに一歩一歩という感じがたまらない。


『しあわせの理由』。なんかいい。
現代版『アルジャーノンに花束を』って感じかな。
ある意味、超脳力を手に入れて、ラストで主人公が気づくという筋が似てる。
イーガン読もうかな。


ケンタウルスの死』。
ラストのしんみりさが泣ける。
こうなったら、『ハイペリオン』も……もうちょい先にしよ(笑)


今年いっぱい楽しめたこのシリーズも今回でラスト。
昔の創元とか早川とか講談社ってかなりアンソロジーがあっただけに、
今はひどく少なく感じる。
こういうのをもっと出して欲しいもの。早くハヤカワの90年代SFが出んもんかな。