黒田硫黄『茄子』



前からこの人は好きだったんだけど、今回そのランクが一気にアップ。
達観していると言うか、超然と言うか、変なマイペースと言うか、変なポリシーと言うか、
とにかくそんなキャラクターたちが自然といるのが凄い。しかし、今日言いたいのはそんなことではない。


茄子が小物に出てくるオムニバスなのだが、『アンダルシアの夏』が最高!
他のマンガ読みよりは楽しめたと思う。
別にマンガヲタとして自惚れてるわけじゃなく、自転車ネタなのだ。
ブエルタ・デ・イスパーニャかな。
あとがきでもよく自転車レース見てんだなー、とわかるけど、それは作中からもにじみ出ている。
ザベル(作中ではベザル)がいいキャラクターだし、
監督の「故郷だからって飛ばす」なっつー台詞や、
風に沿ってプロトンが走ってるシーンやら、うなずきながら読んだ。


しかし、好きなんだなーと最も感じたのは、やはりラストスプリントの空気が描かれていること。
あの雰囲気が描けるってのは素晴らしい!


そして、もう一つ、悪魔おじさんが出ていること。彼を出すとは、黒田硫黄恐るべし!


それにしても、ツールのことを言及しているマンガ家はこれで3人目(もっといるだろう)。
まー、一晩中テレビつけっぱなしなだけかもしれんけど。寺田克也目黒三吉、そして黒田硫黄……濃いな(笑)


ちなみに、ほかの作品では『ランチボックス』がとろーんとした空気でお気に入り。
『海に行く』と雰囲気がなんとなく似てるかな。