特に書くことがないので、鼻行類の思い出(唐突に)。


鼻行類とは、知ってる人は物凄く知っていて、知らない人は全く知らないというイカした生物だ。
ハラルド・シュトゥンプケ博士が発見・研究したこの新種の生物は象以上に器用な鼻を持ち、
それで飛ぶものや歩くもの、釣りに似た行為をするものなど様々にいる。
しかし、フランスの核実験のミスにより、その島は消し飛んでしまったのだ。
それらの遺稿をまとめたのが『鼻行類』という一冊の本。


これと出会ったのが中二のときだから、もう10年以上前か。
当時、凄いショックだったのを覚えてる。その愉快な生態も末路も。
……つまり、本気で信じていたんですねー(笑)。
読み終わるまで信じてた。夢に見るくらい。
まー、それを抜きにしても好きな本だけどね。


海外には、こういうくそ真面目な架空生物学の本はけっこうある。
レオ・レオーニの『平行植物』、ドゥーガル・ディクソン『アフターマン』シリーズなど。
平行植物』などは本国では凄い高い学術書として売られたらしい。


そして、『鼻行類』から3年後、彼はケンタウロスのような猿や足が沢山生えた蛇などの写真を見て愕然とする。
「こんな生物が見つかったのか……!」と。
後に『謎の動物誌』という本にまとめられる一群の異様な生物写真。
よく考えてみれば、そんな凄い生物が新聞にも載らず、『芸術新潮』で紹介されていたってところで気づけよな(笑)