STRANGLEHOLD

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オンリー・チャイルドジャック・ケッチャム(扶桑社)読了。
相変わらず鬼畜な話だ。


幼児虐待ものとでも言うのかな。
で裁判ものになって、最後はやはり後味悪し。


今までの中では、一番余韻があったかな。すこぶる嫌な余韻だけど。
ちょっと『ブラジルからきた少年』を思い出した。
かなり主人公に同情する話だけど、やはり救いがない。全くない。


途中、いきなりシリアルキラーが入りこんでくるけど、なんとなく宙ぶらりん。
いや、それはわざとなのかな?
生き残った犠牲者が安心できず、そんな人間は沢山うろついている、ということを表しているのかな。
なんとなく、キャラクターそれぞれのバックストーリーへの踏みこみが足りない気がする。
その場の説明のためだけの設定っぽく感じるところもあった。
それがどうなるの、とドキドキ思わせといてけっこう肩透かし。それがちょい残念。


ケッチャム作品の特徴は、逃げ場がないということ。
隣の家の少女』は地下、『ロード・キル』は自動車。
この『オンリー・チャイルド』は閉じ込められてるわけではないけど、子供と言うやはり逃げられない立場。
逃げ回るのと同様、逃げられないのも恐怖の定石。
完全に受動的になっちゃうから、ひじょうにプレッシャーを感じる。


一気に読み終えないと安心できない。
読み終えてもほっとできないのがケッチャムの凄いところ。