THE SPIRIT RING

スピリット・リング (創元推理文庫)

スピリット・リング (創元推理文庫)



マイルズが読みたいんじゃ! ……と言っていてもしょうがないので、取り敢えず簡単に。


ビジョルド初のファンタジー
中世イタリアを舞台にした、悪霊を封じこめた指輪を巡る物語。
和製ファンタジーだと、舞台から創らなければいけないのに対して、
向こうのファンタジーってやつは、特に断りもなく、現実の世界に魔法や怪物が自然といられる環境が羨ましい。
アメリカなんかのヲタクが、『ロードス島戦記』を見て、ジャパニメーションとしては認められるけど、
ファンタジーとしてはなんだこりゃ、と言う感想を持つという話と無関係ではないだろう。
まー、プリニウスなんかの時代から博物学として怪物が現実と地続きだったわけだしな。
海外のヒロインはかなり女として強いんだけど、この主人公はわりと日本ものっぽい元気美少女。
結局恋愛ものなんだよね。
ラストで、ブロンズのペルセウス像が民衆の先頭に立って歩くところが、
「デ、デ、デ、デ〜」と大映の重低音が聞こえてきそうでよかったくらいかな。
やはり、マイルズが読みたい。