蟻塚

小説新潮 2012年 11月号 [雑誌]

小説新潮 2012年 11月号 [雑誌]

いや、まさか、こんなところに新作が載ってるとは思いませんでしたよ。
なんで唯一の漫画として、選ばれたのかわからないけど。

追い剥ぎに全てを盗まれたフィールドワーク中の研究者。蟻塚の作りから方角を推測し、町を目指すが……

過去の傑作レベル、とは言わないけど、薀蓄とSF的(もしくはサイエンス的)ワンダーによるオチは、しっかりと『アフター0』を彷彿とさせる。
やはり『○○動物記』(伏字)より、SF系の方がいいなぁ。

L'ARRIVO DI WANG

『宇宙人王(ワン)さんとの遭遇』鑑賞


中国語通訳のガイア宅に一本の電話がかかってきた。今から緊急で通訳をして欲しいというのだ。目隠しされて連れて行かれた先は、真っ暗な尋問室。そこにいる王と名乗る者の通訳をしろという。尋問官が、「なぜ中国語なんだ!」と激しく問いただすと、「地球で一番使われてる言語だし……」という奇妙な返答。表情がわからないと正しく通訳できないということで、電気が着けられと……

出落ちではあるんだけど、思いの外、オーソドックスなSF。
でも、やはり、王さんの微妙な表情に尽きるなぁ。


欧州vs.中国、みたいな激論が云々と聞いていて、そうかなぁ、と思ってたんだけど、ラストを見るとうなずけるね(笑)
無表情とも違う、アルカイックスマイルにも通じるような王さん表情が、ラストで重みを持ってくる。

Michel Petrucciani

『情熱のピアニズム』鑑賞



フランスの天才ジャズピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニの生涯を追ったドキュメンタリー。


音楽の素養がまるでないんで、この音楽家の名前も初めて知ったんだけど、それでも、すこぶるユニークな人生を撮ったドキュメンタリーとして純粋に面白い。


ミシェルは骨形成不全症で、まさにリアル・ミスター・ガラス*1。身長は1メートルちょい。しかし、その演奏は非常にパワフルで、演奏しながら骨が砕けてしまうほど。
さらに、何人も恋人を持ち、どんなことでも経験したがった。生き急いぐかのように口調も頭の回転も早い。
36年という短い生涯なんだけど、それは障害のせいではなく、銀英伝的に命数を一気に燃やし尽くしたいと思いたい。

わが友ピエロ (レーモン・クノー・コレクション)

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文体練習 (レーモン・クノー・コレクション 7)

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本にだって雄と雌があります

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ゴーグル (KCデラックス アフタヌーン)

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ウォーキング・デッド3

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『オセロ』つかこうへい/オスカー・ザラテ〈プロヂュース・センター出版局〉¥300