『ノブナガン』サイン会

ノブナガン(1) (アース・スターコミックス)

ノブナガン(1) (アース・スターコミックス)

これまでの久正人作品は、舞台設定の方にウェイトが置かれ、その外連味を楽しむ作品が多かったのに対して、『ノブナガン』はかなりストレートに近いアクション漫画。また、他の作品はミッションや依頼を請け負うという読み切り連載タイプだったけど、今作は目的と敵が定まった長編型作品。


基本は、変身して宇宙怪獣と戦う「ウルトラマン」系の作品。しかし、変身するのは歴史上の偉人(?)であり、敵対するは『ライアーランド』*1に見られるような虚実ないまぜの理屈に彩られた生物。
要するに、いつもどおり久正人趣味に溢れてます(笑)
しかし、リリィ*2やマッコイ*3がクールビューティーなのに対して、今回は感情表現豊かな(でも変わり者)の女の子というのも、アクション漫画らしいかも。


というわけで、秋葉原で開催されたサイン会に行ってきた。


サインはニュートンの足を描いていただく。

ニュートンの顔とどちらにしようか迷ったんだよね(笑)


相方はガリレオ

ガリレオのスーツはピサの斜塔だったのね。気づかなかった……


確実に100枚は整理券が出てた。なぜなら、相方の整理番号が100番だったので。一定数のファンはちゃんと付いてて嬉しいなぁ。

謎の物語

謎の物語 (ちくま文庫)

謎の物語 (ちくま文庫)

以前新書*1で出たアンソロジー文庫落ち、かと思いきや、結構収録作が違います。

物語にはいつも「結末」があるとは限らない――王女を愛した若者は、身分違いの恋を罰せられる。目の前には扉が二つ。一つには虎、一つには美女。彼が選んだ扉の向こうに待っていたのは……。究極の選択を強いられた主人公の運命は? 謎は謎のまま、読者の想像に委ねられる。そんな不思議な、謎と運命の物語(リドル・ストーリー)15篇。


 収録作品
・「恐ろしき、悲惨きわまる中世のロマンス」……マーク・トゥエイン
・「女か虎か」……フランク・R・ストックトン
・「三日月刀の督励官」……フランク・R・ストックトン
・「女と虎と」……J・モフィット
・「謎のカード」……クリーヴランド・モフェット
・「続・謎のカード」 ……クリーヴランド・モフェット
・「穴のあいた記憶」……バリイ・ペロウン
・「ヒギンボタム氏の災難」……ナサニエル・ホーソーン
・「茶わんのなか」……小泉八雲
・「指貫きゲーム」……O・ヘンリー
・「ジョコンダの微笑」……オルダス・ハックスリー
・「野原」……ロード・ダンセイニ
・「宵やみ」……サキ
・「園丁」……ラドヤード・キプリング
・「七階」……ディノ・プッツァーティ

ラストを読者に委ねるタイプの古典アンソロジーという性質から、未読でも既読感の多い作品が多いんだけど、余白、余韻を楽しむものばかりなので、じっくり読みたい一冊。


印象的だったのは、
・「女か虎か」
この手の作品の定番中の定番……だそうです。恥ずかしながら初読。
虎と美女と、二つの扉のどちらを開いたのか、という単純なストーリーなんだけど、一切無駄がなく、ラストを読者が想像させるように仕向ける仕掛けが巧みで、かつどっちとも断言できない妙。


・「続・謎のカード」
「謎のカード」が「牛の首」のような話で、その不条理感が傑作なんだけど、そういうものに続編をつけたら台無し、ということがよくわかる一作。
もう、一昔前のハリウッド続編駄作並のひどさで印象的(笑) 


・「野原」
美しい野原。しかし、そこに来ると嫌な気配がする。果たして?
具体的なことはまるで描かれていないのに、余韻が非常に染み渡る。


・「宵やみ」
来たばかりの町で、ホテルの場所を忘れ、金もないという男。今夜は野宿するしかないというのだが……
このアンソロジーで一番わかりやすい作品。


・「園丁」
なくなった弟の息子を、我が子のように育てる女性。
しかし、戦争が始まり、彼は戦死してしまう。その墓参りに行くことになり……
よくわからず、解説探して、再読してしまった。
再読すると、様々なものが見えてくる。お見事。


・「七階」
唯一、既読。
本末転倒な変な話好きなら、是非オススメ。

はじめてのあく 13 (少年サンデーコミックス)

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罪悪

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魔法の代償 上 (最後の魔法使者3) (創元推理文庫)

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魔法の代償 下 (最後の魔法使者3) (創元推理文庫)

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