ISLAND 731

怪物島-ヘル・アイランド- (ハヤカワ文庫NV)

怪物島-ヘル・アイランド- (ハヤカワ文庫NV)

『怪物島―ヘル・アイランド―』ジェレミー・ロビンスン〈ハヤカワNV1331〉

太平洋の中央、洋上の廃棄物が大量に漂流する太平洋ゴミベルト。その調査に赴いた〈マゼラン〉号は台風に遭遇し、絶海の孤島へ漂着する。平穏に見える島だったがすぐに事態は急変した。島から襲ってきた何ものかが、乗組員をさらっていったのだ。目撃者は呻いた。あれがさらっていった……あの男でもあの女でもない「あれ」が。そして、島へ上陸した人々の前に、想像を絶する怪物が現われる!

KAIJU! KAIJU! ですよ!


原題でネタバレ(もなにも)してるけど、731部隊がクリーチャーの根源。


ネットの感想見てると、「731部隊」に反応してる人が散見されるけど、ナチスが月に基地やら吸血鬼部隊やらサイボーグやらを作るのはOKなのに、731部隊にはイチャモンつけちゃうんだ。見上げた愛国心
まぁ、それは置いても、ドラマ『アロー』でも旧日本軍の超人計画が出てきたんで、ナチは手垢がついてるし、中東も東側も危なっかしいし、旧日本軍にしとこうか、というトレンド?w


地図にない謎の島に上陸したら、そこはお約束の『モロー博士の島』*1かと思いきや! 『武器人間』*2で『バイオハザード*3でしたよ!


「怪獣」と書くとちょっと語弊があって、作者は「モンスター映画」が好きなんだろうなぁ、と感じる。
初めは触手が生えたワニ程度だったのが、話が進むにつれて改造生物のエクストリーム感がアップ。ボスキャラはやり過ぎじゃね?
グロ描写も多く、作者のサービス精神は旺盛なんだけど、その分、主人公たちの魅力がイマイチ。特にヒロインの必要性はないよなぁ。マッドサイエンティスト側は悪くないんだけど。まぁ、モンスターを描きたいからこそ、その心意気やヨシ!


ラストシーンはいかにもB級ホラーテイストなのも好感が持てるんだけど、天丼になっちゃってるのはくどいなぁ。どっちか一つのほうが良かったと思うんだけど。