THE FROZEN SKY

凍りついた空 エウロパ2113 (創元SF文庫)

凍りついた空 エウロパ2113 (創元SF文庫)

『凍りついた空―エウロパ2113―』ジェフ・カールソン〈創元SF文庫750-01〉

22世紀初頭、木星の衛星エウロパで小さな生物の死骸が発見された。エウロパの分厚い氷殻の下にある液体の海で、独自の生命が進化していたのだ。だが、友好的なファーストコンタクト(地球外生命との初遭遇)を期待しつつ探査を始めた女性エンジニアのボニーたちは、未知の生物に襲撃される。さらには、発見の扱いをめぐり地球上や探査チーム内で深刻な対立が発生。次々と襲いかかる危機に、ボニーたちは敢然と立ち向かう!

「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」(in エウロパ


映画っぽい作りで、冒頭はアバンタイトル的に、いきなりエイリアンに追われているシーンから始まる。
命からがら、物陰で一息ついたところで、「THE FROZEN SKY」とタイトルが出て、時間を遡ってエウロパ到着から語られる感じw


と言っても、ノベライズのような軽さはなく、SFとしてもなかなか骨太。
今とは様変わりした一世紀後の地球、エウロパ生物の生態、進化したAIのあり方、とSFガジェットだけで十分読ませる。
物語は大雑把に三部に分けられ、そのガジェットで三部が語られていく。


まぁ、百年後でも、やはり問題を引き起こすのは白人至上主義の帝国的発想、というのは嫌な感じだけどw、サンフィッシュとのコンタクトは結構好き。
ところで、地球にもサンフィッシュはいるけど、22世紀に地球ではこの命名は問題にならなかったのかね?