One Chance



『ワン チャンス』鑑賞


2007年、イギリスの人気オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で「誰も寝てはならぬ」を歌いあげて優勝し、一躍世界的歌手になったポール・ポッツの実話を、「プラダを着た悪魔」のデビッド・フランケル監督のメガホンで映画化。片田舎の恵まれない家庭に生まれ育ち、容姿も冴えず、内気な性格でいじめらればかりだったポール・ポッツ。携帯電話ショップで働く彼には、オペラ歌手になるという密かな夢があった。挫折を繰り返しながらも夢をあきらめないポールは、勇気を振り絞り、最後の望みをかけて人気オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」に出場する。地味な身なりで容姿もパッとしないポールに、会場の観客や審査員からも失笑がもれるが……。主演は「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」「人生は、時々晴れ」のジェームズ・コーデン。歌唱シーンの吹き替えはポール・ポッツ本人による。

最近、ホントに多い「Based on a True Story」もの。


実際に起きたドラマチックな出来事は確かに面白いんだけど、この作品においては、語弊があるかもしれないけど、その事実は動画サイトだけで完結してる印象なんだよね。


こっちは本物。


だから、あの動画自体は好きだけど、ポール・ポッツの人生が知りたいかというと、そうでもないんだよね。単なる趣味ではなく、ちゃんとイタリアでオペラの勉強をしていたのは知らなかったけど。


冴えない小太りの男が凄まじい美声を発し、小馬鹿にしていた審査員が唖然とする、というフィクションじみた動画が非常に感動的なのであって、それを凌ぐ再現ドラマができるとは思えない。


最高に有名なあの動画は予選で、その後に準決勝、決勝と続いていくんだけど、むしろ、そこを観たかったなぁ。まぁ、あのシーンをクライマックスに持ってくるのはわかるけど。
また、ポッツがいちいち事故やら病気になるのはちょっと笑っちゃうんで、もっとスラップスティックに脚色してもよかったような。