Gravity



『ゼロ・グラビティ』鑑賞

トゥモロー・ワールド」「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」のアルフォンソ・キュアロン監督が、宇宙空間に投げ出されてしまった宇宙飛行士たちの極限的状況を最新VFXと3D技術を駆使して描いたSFドラマ。スペースシャトルのメディカル・エンジニア、ストーン博士とベテラン宇宙飛行士のマットは、船外作業をしていたところで予想外の事故に遭い、宇宙空間に放り出されてしまう。空気も残りわずかで地球との交信手段も断たれ、たった1本のロープでつながっているだけの2人は、絶望的な状況の中から生還を目指すが……。ストーン博士役にサンドラ・ブロック、マット役にジョージ・クルーニー。撮影は「トゥモロー・ワールド」も担当した名匠エマニュエル・ルベツキ。脚本はキュアロン監督と、監督の息子ホナス・キュアロンによる。

ケスラーシンドローム、ダメ! 絶対!


スター・ウォーズ』や『ロード・オブ・ザ・リング』がジャンル小説ファンが観たかった映像ならば、この作品もやはりそこに並ぶ傑作だと思う。
一生実体験はできないと思うけど、EVAや宇宙空間での視界は本当にこうなのかも、ということを見せてくれる。


テーマ的には、単純に、生きててよかった!w
天涯孤独で、生きる歓びを忘れた主人公が、絶対的な死の世界である宇宙空間でのサバイバルを経て、生まれ変わるイニシエーションの物語。
途中に出てくる胎児のポーズや、水中から空気のある場所に出てよろよろと立つシーンなど、再生のメタファーはわかりやすい。
また、宇宙でのワンシチューションからの孤独なサバイバルという物語は、ジェフリー・A・ランディスの短篇を思い起こさせる。


ただ、そんなことよりも、映像にひたすら圧倒される。
オープニング、巨大な地球が映しだされ、その隅に小さく浮かぶ何かが、どんどんこちらに近づいて来て、それが主人公たちが修理しているハッブルだとわかる。
その短いシークエンスだけで引き込まれるし、何より目で追っちゃうんだよね。この目で追う行為をするためにも、できるだけデカイ画面の劇場で見ることを推奨。


空気のない世界、音のない世界、一挙動ですらままならない世界、高速で破片が飛んでくる世界、生命を拒絶する無重力の世界を思う存分堪能させてくれる。
地球上では当たり前のことが一切通用しない舞台だから、ちょっとしたことで死んじゃうし、そこに加えて次から次へと主人公を襲う危機また危機。
途中でお茶を飲むのを忘れたくらいの緊張感w


前述したように、なるべく大きな画面で観ること。
IMAXで観たんだけど、デブリは思わず避けちゃったw
オススメ。


ジョージ・クルーニーの「奇想天外な話なんだよ」ってセリフがたまらない。