The Perks of Being a Wallflower



『ウォールフラワー』鑑賞

1999年にアメリカで出版され、「ライ麦畑でつかまえて」の再来とも言われたベストセラー青春小説を、原作者のスティーブン・チョボウスキーが自らのメガホンで映画化。「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」のローガン・ラーマン、「ハリー・ポッター」シリーズのエマ・ワトソン、「少年は残酷な弓を射る」のエズラ・ミラーが共演する。小説家を志望する16歳の少年チャーリーは、高校入学初日にスクールカースト最下層に位置付けられてしまう。誰からも話しかけられず、「壁の花(Wallflower)」のようにひっそりと息を潜めて毎日をやり過ごすことに注力していたチャーリーだったが、陽気なパトリックとその妹で美しく奔放なサムに出会い、生活が一変。初めて友情や恋を知るが、過去のある事件をきっかけに、3人の青春の日々は思わぬ方向へ転がり始める。

同名小説*1の映画化。


原作者が監督・脚本と聞くと、何やら不穏なものを感じてしまうけど、これは良く出来ているなぁ。
アメリカの青春劇だからそこまでエモーショナルなことにはならなかったんだけど、例えるなら『桐島、部活やめるってよ*2に近いんじゃないかなぁ。


主人公を演じた三人の若手俳優がこの物語に命を吹き込んでいると思う。
ローガン・ラーマンは『三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』*3とか『パーシー・ジャクソン』*4は別に印象もないんだけど(三銃士は全く記憶にない)、今回は表向きは目立たない生徒にしか見えないけど、実は複雑な内面を持ったキャラクターを好演。知ってることを知られたいけど、自分からは前に出たくないって感じはよく分かるよ〜! ラストの精神的に不安定になった焦燥感もよく表されていると思う。


彼が恋するエマ・ワトソンも非常にキュート。ただ、これまでのイメージを突き破った感じがないのが残念。


そして、なんといってもエズラ・ミラーが素晴らしい。『少年は残酷な弓を射る*5の魔少年も印象的だったけど、今回のパトリックの方が遥かにいい。
恐れるものはなく、我が道を行く変わり者であり、常に仲間を愛する陽気なリーダーなんだけど、彼もまた当時は大ぴらに出来ない秘密を抱えている。
造作の大きい表情が浮かべる不敵な笑みは、しかし、ちゃんとお前のことはわかってるぜ、という非常に強い力を持っている。
この魅力的なキャラクターを物にできただけで、彼の実力がわかる。


物語はハッピーエンドだけど、チャーリーはこの後の三年はちゃんとやっていけるの? それが心配。


ジーンズの万引きが趣味で、ヴァンパイアオタクのアリスがあまり語られず残念なんだけど、原作では出てくるのかな?