The Iceman



『THE ICEMAN 氷の処刑人』鑑賞

心優しき家庭人という表の顔と、冷酷な殺人者という裏の顔をもった実在の暗殺者リチャード・ククリンスキーを描いたクライムドラマ。1960年代、米ニュージャージーで妻と2人の子に囲まれ幸せに暮らすククリンスキーは、近所でも評判の良き夫、父親だった。しかし、その裏では家族さえも知らない一流の殺し屋として約20年間で100人以上を殺害していた。死亡日時を判定されないよう、殺した相手の遺体を冷凍保存することから「アイスマン」の異名をとったククリンスキーが、表と裏の2つの顔を使い分ける様を、「テイク・シェルター」「マン・オブ・スティール」のマイケル・シャノンの怪演で見せる。共演にウィノナ・ライダーレイ・リオッタ、クリス・エバンス、ジェームズ・フランコら。

家庭を愛する父親と冷酷な殺し屋という二面性、死体を凍らせるって、『デクスター』のシーズン1*1のモデル?


個人的には『嘘をついた男』*2と似た感触。
この手の話で、家族は気づかなかったのか? と疑問に思うけど、たぶん、ちゃんと毎月の生活費が入ってれば、あんまり気にしないと思うんだよね。わざわざ出勤時に旦那をつけて確認するような主婦はいないでしょう。


マイケル・シャノンは『マン・オブ・スティール』*3の時より全然いいなぁ。寡黙な強面の顔が、特に変わることなく、物静かな家庭人にも、殺し屋にも見えるんだよね。
生まれながらのサイコパス基質の持ち主として描かれているけど、同時に、父や弟のようなダメ人間とは一緒にしてほしくない、という強い意志のもとに家族を幸せにしようとするも、そのあまりにステロタイプ的なアメリカの理想的な家族像を誇示しようとする姿は、やはりサイコパスに通ずるものがある。
実際の人物は、かなり短期でひどいDVもしてたみたいだけど。
あと、やたらデカイと連発されるんだけど、マイケル・シャノンも背が高いの?


ヒューマン・トーチでキャップなクリス・エバンスが出ているということで、誰かと思ったら、ククリンスキーの殺しの師匠とも言えるアイスクリーム屋だったのね。
見分けつかないくらいに、社会落伍者を好演。


最近のレイ・リオッタはいつもこんな役だなぁw