2013年4月号

S-Fマガジン 2013年 04月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2013年 04月号 [雑誌]

今月の特集は、「「ベストSF2012」上位作家競作」


翻訳は3本。
・「コヴハイズ」……チャイナ・ミエヴィル
夜中にある場所に忍び寄る父娘。
そこは、海から、ある構造物が現れる場所で……
非常にグロテスクなクリーチャーが出てくるんだけど、後半のその生態が明らかになると、急に擬人化して見てしまう不思議(笑)


・「小さな供物」……パオロ・バチガルピ
汚染物質が蔓延している未来。
そこでは出産の前に、予備分娩が行われていた……
ちょっと希望ある(?)「第六ポンプ」的未来といったところ。
現在から見ればぎょっとするようなことでも、自分がその時そこにいたのなら、それを全否定できるのか?というモラルを見せつけられるのがSF。
これは、今年度の読者賞に入るんじゃないかなぁ。


・「霧に橋を架けた男〈後篇〉」 ……キジ・ジョンスン
作業員が事故死し、打ちのめされるキット。
それでも工事は続けなければならない。
心通わせるようになったラサリは、橋が完成した時、どうするのか?
両岸がつながる時が近づいていた。
舞台が異世界だけで、内容は『プロジェクトX』かと思いきや、橋がもたらす視界の拡大、認識の変革は立派にSF。
また、描写は少ないながらも、登場人物の印象もそれぞれ強く残る。


「タイム・スリップSFM」第12回
今月は、1993年3月号。


大森望の新SF観光局」おやすみ


堺三保アメリカン・ゴシップ」第42回
HFR方式


「SF挿絵画家の系譜」第84回
泉鏡花と挿絵画家たち


「サイバーカルチャートレンド」第40回
スマートハウス


「サはサイエンスのサ」第215回
ヒッグスのはなし(その6)


「センス・オブ・リアリティ」は、
金子隆一は、『ふわふわの泉』実現?
香山リカは、女子柔道問題


「乱視読者の小説千一夜」第26回
ウェストレイクの『Memory』


「現代SF作家論シリーズ」第23回
藤元登四郎による神林長平


「SFのある文学誌」第16回
明治のヴェルヌ・ブーム(2)


「パラフィクション論序説」第9回
ゲーム的リアリズム」再考(その2)


「MAGAZINE REVIEW」は〈インターゾーン〉誌
"Beyond the Light Cone"C・W・ジョンソン
"Mirrorblink"ジェイスン・サンドフォード
が面白そうだった。


来月の特集は、「〈星界〉シリーズ特集」