THEORIES OF INTERNATIONAL POLITICS AND ZOMBIES

ゾンビ襲来: 国際政治理論で、その日に備える

ゾンビ襲来: 国際政治理論で、その日に備える

「ゾンビの突発的発生は必ず起こる!」その日にどう備えるべきか? 国際政治学の世界的権威で、ゾンビ研究学会顧問のドレズナー先生が、対応策を分かりやすく提示。各国首脳必携!

『ゾンビの作法』*1に対する、人間側の武器となる国際政治学について書かれたの本書。
結構本格的に国際政治学がベースになっているため、その辺の素養がないと、十全には楽しめないと思う。というわけで、よくわかりませんでした。また、『ワールド・ウォー・Z』*2への言及が非常に多く、国際政治学を踏まえて、世界中を舞台にしたその副読本という使い方もできるかも。


全体的に、あまり飲み込めなかったんだけど、第五章のレアルポリティークは皮膚感覚として理解できた。使い切れないほどの物資がありながら、マーケットを占拠してしまうという『ゾンビ』*3などに見られる力学は、2011年3月11日直後の関東以北のスーパーに買い物に行ったのなら、よく分かると思う。
協力しあうのがベストだと思っても、緊急時には、物資を抱えて立てこもっちゃう姿を、あれを経験した人間は馬鹿にできないんじゃないかなぁ。


訳者は政治研究者なんだけど、この手の本はジャンルの専門家に監修頼んだほうがいいよなぁ。『アイ・アム・レジェンド*4の作者リチャード・マセソンはないわ。
あと、巻末にまとめられているけど、本文中でも既訳・未訳はわかるようにしてほしかったな。