BILBAO - NYEYORK - BILBAO

ビルバオ-ニューヨーク-ビルバオ (エクス・リブリス)

ビルバオ-ニューヨーク-ビルバオ (エクス・リブリス)

主人公キルメン・ウリベは、バスクの中心都市ビルバオから、飛行機でニューヨークへ向けて、旅立つ。心に浮かんでは消えていく、さまざまな思い出や記憶……。祖父の船の名前をめぐる謎。スペイン内戦に翻弄されたバスクの画家アウレリオ・アルテタと、ピカソの《ゲルニカ》にまつわる秘話。漁師として、ビスケー湾からスコットランド、アフリカ沖、カリブ海へと海を渡り歩いた父や叔父たちのこと。移民や亡命者たち。そして今書いている小説のこと。失われゆく過去を見送りながら、新たな世界へと船出していく、バスク文学の旗手による珠玉の処女小説。

バスクって、ツールでやたら熱い応援している一団、という貧弱なイメージしかありません。ごめんなさい。


正直、これを読んで、バスク特有の何かが感じられるかというと、それはあまりない。
そこに描かれているのは、フランコ独裁のスペインを生き延びた強さが感じられるとともに、海を吹く風のような爽やかさも持ち合わせている。
バスクらしさを押し出すのではなく、バスク語で、普遍的な一族の物語を書いたことに意味があるような気がする。そうだとすると、翻訳で読むのは、本来持つ力を削いでるよなぁ。まぁ、日本語しかできないんだから、あらゆるガイブンに同じことが言えるけど。


それにしても、バスクの名前は耳慣れず、とてもヨーロッパだと思えないね。