AFTER DARK

星のかけらを奏でて (ラズベリーブックス)

星のかけらを奏でて (ラズベリーブックス)

200年前に地球人が移住した惑星、ハーモニー。いまでは地球との交流が失われたこの星では、“能力”を持つ人々が、古代ハーモニー人の遺跡から財宝を探し求めている。能力者であるリディアは半年前に遺跡で事故に遭い、2日間の記憶を失った。そのせいで大学の職を失い、今はさびれた博物館で働いている。ある日、彼女の元をハンサムで謎めいたエメットという男性が訪れ、盗まれた家宝を見つけてほしいと依頼してきた。コンサルタントとして独立しようとしているリディアは初の依頼にはりきるが、エメットに職場を案内していたとき、古代の棺の中に友人の骨董業者の死体を発見してしまう。リディアは悲しみとともにこれで依頼人を逃してしまったと落ち込むが、エメットから引き続き調査を続けてほしいと告げられる。ところがその後、自宅が何者かにあやつられだ“ゴースト”と呼ばれるエネルギー体に襲われてしまう。エメットの依頼は、惑星ハーモニーの秘宝を巡る謎への旅の始まりだったのだ――。人気作家ジェイン・アン・クレンツの新シリーズ、ついに登場!!

みんなお待ちかね! 『緑の瞳のアマリリス*1シリーズの新作! 
……待ってない? そう……そうか……


『緑の瞳のアマリリス』の続きではなく、同じ未来史に属する物語。舞台となる惑星も違う。
前作が青背の割にはロマンス寄りだったなぁ、という感想に対して、こちらはラズベリーブックスの割りにはロマンス成分少ないなぁ、という感想(笑)
始まって早々にいたされても冷めるんだけど、なかなか一線を越えないティーン向けラブコメのような展開に、早くやっちゃえよ! とヤキモキ。
その分、物語は
真っ当なミステリっぽいんだけど、SF分弱いというか、現代劇に代替可能で、パラロマである意味が薄い。
二人の結びつきや発情も、別に超能力が必須でないし。


面白いパラロマは、名前通り、パラノーマル分とロマンス分が不可分で、その設定ならではの予定調和がロマンスにつながる。更に言うなら、ロマンス抜きでも十分に面白い。
その点、この作品は、物語も設定も目新しいものがない。キャラクターの名前が、普通に英語の名前なのもなぁ。
他の作品は読んでないからわからないけど、ベテランが手慣れたストーリーに、SFっぽいガジェットをはめ込んだだけのように見える。
主人公の半年前の事件や小箱の正体が語られず、次作に続けているのも手慣れた感じで上手いけど(笑)