J. Edgar

『J・エドガー』鑑賞


BLですよ。数十年に渡る。


FBIを現在の形にし、48年間もの間、FBI長官の座についていたジョン・エドガー・フーヴァーを描いた作品。
誰よりも情報の力を知り、それを利用しつくした人物。陰謀を憎みながら、自身が最大の陰謀家となる。ケネディキング牧師の暗殺にも関わってるんじゃないの? と思いたくなるけど、証拠はないので映画では描かれない。
史実を元にしているため、一見ノンフィクションのように見える。映画自体も、フーヴァーが語る回顧録、という形をとっているので、ますますその印象を強めることになっている。


でも、彼は信用出来ない語り手なんだよね。
無数の活躍も、どれが彼の功績で、他人のものなのか。それを踏まえると、図書館カードも然り。
物語として捉えるなら、反面、回顧録の外側は事実として解釈できると思う。
すなわち、フーヴァーとクライドの愛の物語。そのすべてを知っていたのが、男に興味がなく、フーヴァーが死ぬまで仕えていたヘレン・ギャンディというのも興味深い。