OLIVE COMPRESE

オリーブも含めて

オリーブも含めて

また、チェックが漏れちゃうシーライトパブリッシングか!

第一部:1936年、イタリアの小さな田舎町。90歳の老婆がベッドで亡くなっているのが見つかる。あきらかに老衰による死亡だが、事件後、町民の様子がおかしい。カラビニエーリ(軍人警察)の准尉は、前から目をつけているが、尻尾を掴ませない不良グループの仕業だと目星をつけるが……
第二部:ローマで職人の修業をするルドヴィコ。久々に里帰りすると、妹が、元不良グループの仲間リストと結婚するということを知る。リストにはある秘密があり、ルドヴィコは妹を不幸にしたくなく、何とかしようとするが……
第三部:郵便局長の息子がスペイン内乱のさなか行方不明になり、気が狂わんばかりの父親は自分で探しに行こうとする。准尉は、ルドヴィコの婚約者のツテを使おうとする。一方、ルドヴィコに会いに来た妹は電話で泣いていて……
第四部:行政長官の妻はすっかり精神を病み、毎日のように人格が入れ替わっていた。ある日、座ったまま亡くなるが、その直前、長官が聞いた言葉は……

火のない所に火を起こすと言うか、煙が立ってるから火を探すような、でも実は煙じゃない、そんな事件ばかり。
それらの中心となって探偵役を務めるのがマッカド准尉。しかし、その推理が正しかった試しがない。それは彼が無能なのではなく、そこに事件が存在していないから。町に住んでいるのは、どこか変わった人々ばかり。なにか起きると、彼らの早とちりと勘違いと准尉の正義感でそれがミステリと化す。


500ページ超だけど、一章が短く読みやすい。第四部となってるけど、物語は一繋がりになっていて、マッカド准尉、不良グループ、行政長官の妻が姉と慕う占い師、などを始め、町の住人のエピソードがそれぞれ有機的に結びつき、事態を引っかき回しながら町の景観を浮かび上がらす。
そして、メインテーマでもなんでもなく、さらりと出てくるんだけど、強烈な印象を残すのが、いかにもイタリアっぽいけど、意味がよくわからないこの題名。一読すれば、確実に記憶に焼き付く。


ところで、イタリアって猫食うの?