I AM NUMBER FOUR

アイ・アム・ナンバー4  <ロリエン・レガシーズ> (角川文庫)

アイ・アム・ナンバー4 <ロリエン・レガシーズ> (角川文庫)

同名映画の原作。
ノベライズかと思ったら原作だったので、映画の予習に着手。

俺はナンバー4。凶悪で凶暴な連中に追われ、子供のころから守護者のヘンリーと一緒に逃亡生活を送っている。見つけられたら抹殺されてしまうからだ。しかし、オハイオの田舎町パラダイスに移ったとき、サラという美少女と出会い、俺の運命は大きく変わりはじめた。そして“奴ら”が現れた……。《ハリー・ポッター》や《トワイライト》に続き、壮大なスケールでおくる新シリーズの第1弾、ついに日本上陸!

ファンタジーやオカルト、SFなどのスーパー・ナチュラルを題材にしたYAの新シリーズ。


そもそも、YAとはなんぞや? って話なんだけど、乏しい読書経験からすると、十代の読者を想定しているから、主人公達も同年代で、かつ成人する前に物語が完結する。それと同時に世界も彼らの周りだけで完結しており、その世界を救う能力があるのは主人公だけ。そこに恋あり、冒険ありの物語。また、主人公に親がいない(片親含む)ことも多いような。日本なら、「ラノベ」の一言で説明が済みそうだけど、やはりちょっとニュアンスが違うかな。この辺の分析は詳しい方に譲るとして、『ハリー・ポッター』のヒットで、日本に紹介されるのはファンタジーが多いけど、これはSFに分類される作品。


侵略者によって滅ぼされた母星から地球に逃れてきた9人。彼らは散り散りになって、再興の時を待っていたが、敵は地球まで追ってきて、すでに3人が亡き者に。ついにナンバー4にも魔手が忍び寄るが、彼は逃げることを拒み、戦うことを決意する! てな感じの内容。


前半の超能力訓練とか、甘酢なロマンスは好みだけど、ちょっとご都合主義&中二な設定が強いかなぁ。
6部(予定)の第1巻なんでなんとも言えないものの、各々が超能力を複数持っているという設定は意外に珍しいけど、チームものとしてそれがプラスになるとは思いにくいなぁ。超能力者のチームだと、やはりそれぞれの得意技のチームワークを期待するけど、作者は、残り6人で6部作だから、チームではなく、6人のティーンエージャーの境遇を描きたいのかな。また、複数の超能力ということで、YAらしい「唯一世界を救える一人」の方向に持って行きやすそうだし。
歴史上の偉人が、ロリエン星人と地球人の混血という発言に苦笑。
あと、戦闘シーンが思いの外長い。敵の武器のエネルギー源とか映像をイメージしやすくて悪くないけど、展開に対して、ちょっと長いなぁ。
ナンバーの意味もご都合主義だけど、個人的には悪くない設定だと思う。
SFと上述したものの、文中で魔法という単語が出てくるように、他のYA同様ファンタジーかな。


「俺たちの戦いはこれからだ!」って感じで終わるので、判断は保留。1巻で設定の説明は終わっているので、残り5人をしっかり描き込んでくれるのなら楽しみにしたい。
あと、犬ちゃんはかなり可愛い。