粘膜兄弟

粘膜兄弟 (角川ホラー文庫)

粘膜兄弟 (角川ホラー文庫)

『粘膜兄弟』飴村行〈角川ホラー文庫

ある地方の町外れに住む双子の兄弟、須川磨太吉と矢太吉。戦時下の不穏な空気が漂う中、二人は自力で生計を立てていた。二人には同じ好きな女がいた。駅前のカフェーで働くゆず子である。美人で愛嬌があり、言い寄る男も多かった。二人もふられ続けだったが、ある日、なぜかゆず子は食事を申し出てきた。二人は狂喜してそれを受け入れた。だが、この出来事は凄惨な運命の幕開けだった…。待望の「粘膜」シリーズ第3弾。

今まで同様、もう一つの昭和を舞台にしたシリーズ。
前作*1が傑作だったんで楽しみだったんだけど、ちょっとイマイチだなぁ。
物語の原動力である、ゆず子の存在に説得力が薄く、彼女が磨太吉に惚れるのも、最後の最後まで裏があるんじゃないかと疑ってしまったよ。
ポン太も滑ってるし、色々あるんだけど、一番は黒助かなぁ。浮いてるし、ラストの因果もあまり驚きもがないなぁ。
ただ、「坊っちゃん応援歌」に匹敵するのが、ヘモやんの存在。彼の印象が全てを持ってっちゃてる(笑)