熊博士×2

似た題名の、別ジャンルの作品を同時に読み、その食い合わせによる化学変化から新たな発見を探る新企画!


……ゴメン。出オチです。


いとしの熊博士 (ハーレクイン・イマージュ)

いとしの熊博士 (ハーレクイン・イマージュ)

『いとしの熊博士』サラ・キーン〈ハーレクイン・イマージュ〉
最近の甘ったるい邦題に比べて、なんてキャッチーな題名(俺的に)

勤務先――ロサンゼルスの広告会社。職業一コピーライター。婚約者――同僚。ハンサムでスマートで出世間違いなし。テレビコマーシャルに出てくるような都会的で洗練された毎日。まるで自分が自分じゃないみたい。婚約者スコットの態度も紳士的すぎて、なんだかものたりない。そんなある日、スコットと二人で姉夫婦の経営する山奥のロッジを訪れることになったジョルダンは、淡い期待を抱いた。雪深い山の中で、大自然の懐で、何かが起きるかもしれない……。そして、起こるには起こったのだが……。

O氏いわく、秘密組織に改造された熊怪人……ではなく、熊の研究者がお相手。
感想書かなくちゃダメ?
最近ロマンスもの読んでるけど、その代名詞であるハーレクインそのものを読むのはこれが初めて。
主人公は今言うところのツンデレ。というか、最近、しかも日本オリジナルの属性ではないことを再確認(笑)
また、最近のHOT(全体の4分の3くらい濡れ場)に比べると、ひじょうに穏当なラブコメ。かと言って、話が面白いわけもないんだけど。お互い好意がありながら、相手は自分を嫌っていると思っていて……と口にするのも恥ずかしい展開。
まぁ、20年前の小説なんで、そう言うのに飽きたらなくなって、今現在の濡れっぱなし立ちっぱなしへと変化していったのかもしれないけど。


ちなみに、みなさんご存知だとは思いますが、ハーレクイン・イマージュは、「身近に起こりうるテーマを題材として、思わず応援したくなるようなヒロインと、包容力のあるヒーローの恋を描いたシリーズ」です。


『アライグマ博士の冒険』ベン・ルシアン・バーマン〈講談社文庫B118〉

ミシシッピー河流域にある“なまずがふち”に住む動物たちが、住民にも手に負えない洪水や、狩猟地域に指定されるという最悪の事態、町から来た悪賢いキツネから、知恵と勇気で“なまずがふち”を守り抜く機知とユーモア溢れる欧米で大評判の傑作。「アライグマ博士河をくだる」「アライグマ博士と狩人たち」「アライグマ博士と悪党たち」の三篇を収録。

こちらは本当に(アライ)熊の博士。
動物たちの知恵と勇気の冒険ものと見ると『けろっこデメタン』風だし、アララテの誓いによって捕食せず、果物を食べている様は『ジャングル大帝』っぽい。
ただ、擬人化動物ものにしてはちょっと変わっていて、作者はアライグマ博士から冒険を聞いているという体で、かと言って、人間と言葉が通じる世界ということもなく、でも、アライグマ博士たちは人間の言葉を解して、それを利用したり、なまずがふちから追い出したりたり。
1話と2話は、まぁ、割とほのぼの(取り巻く状況は厳しいけど)。ところが3話が、悪辣な新参者によって、平和だったなまずがふち分裂してしまい、かなり壮絶な戦争へと発展してしまう。アライグマ博士たちの村八分っぷりはカワイソすぎ。
ネタとして取り上げたんだけど、それなりに楽しめたかな。ヘビのブラック判事がナイスガイなんですよ。


というわけで、名前つながりは新たな出会いがあるかもしれないので、オススメ(笑)
隣の家の少女*1つながりでもなんかできそうだな。食あたりしそうだけど。