愛と狂気と死の物語

愛と狂気と死の物語―ラテンアメリカのジャングルから

愛と狂気と死の物語―ラテンアメリカのジャングルから

『愛と狂気と死の物語 ラテンアメリカのジャングルから』オラシオ・キロガ彩流社

収録作品
・「一粒のダイヤ」
・「漂流船の怪」
・「メンスーのこと」
・「丸太釣り師」
・「野生の蜂蜜」
・「平手打ち」
・「不毛の地」
・「白い昏睡」
・「人間になったトラ(ファン・ダリェン)」
・「死にゆく男」
・「急行列車の運転手」
・「羽を抜かれたオウム」
・「故郷を追われて」
・「アナコンダ

キロガと聞くと、面白おかしい「羽根枕」が真っ先に思い浮かぶ作家。あの手の作品を楽しみにしていたんだけど、ちょっと期待ハズレ。
純粋に古いのか、翻訳ワークショップ作品だから無味無臭みなっちゃってるのかわからないけど、残念ながら退屈な作品が多かった。
その中で面白かったのは、
・「野生の蜂蜜」
 山を散策してみたくなった会計士。
 野生の蜂蜜を舐めてみると……
 これが唯一「羽根枕」*1に近いかな。
 オチの民明書房的解説がいいんだよね。


・「不毛の地」
 ジャングルで、幼い子供たちを一人で育てる父。 
 しかし、足に傷を負い……
 ある種、伝説のオリジンのようにも読める作品。


・「アナコンダ
 ジャングルに作られた研究所。
 種族の存亡に関わるため、反目している毒ヘビとヘビたちは協力し、打倒研究所を目指すが……
 中篇。
 ヴィジュアルは一昔前の動物パニックものなんだけど、内容は『みなしごハッチ』系というか(笑)