2010年4月号
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/02/25
- メディア: 雑誌
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翻訳は2本
・「ジェイクをさがして」……チャイナ・ミエヴィル
何かが起こり、異形の街と化したロンドン。
目を離した一瞬で姿を消した友人を捜すが……
ミエヴィルの紹介が増えてきて嬉しい。
「ロンドンにおける“ある出来事”の報告」*1や「鏡」*2のように、変容したロンドンが舞台の短篇。
異形の街そのものが主人公と言えるような作品がホントに上手い。
確かに、バイアクヘーとかゴーントっぽく、クトゥルーものと解釈する向きもあるようだけど、個人的には「鏡」のアナザーストーリーという印象。
また『サイレントヒル』的な変転もざわざわしてなかなかいい。
・「ミサイル・ギャップ」……チャールズ・ストロス
冷戦構造まっただ中、ある日突然世界は、超巨大なディスク上に何者かによって移植される。
その上でも対立している米ソ。
そこで彼らが発見した事実は!?
ストロス版『ディスクワールド』もしくは『10月1日では遅すぎる』!
すぐに長篇化出来そうな程、ガジェットがてんこ盛り。
味は『残虐行為記録保管所』*3や「コールダー・ウォー」*4に似てるかな。
ストロスは宇宙に出ちゃうより、こちらの政治とあちらの異物をシャッフルすることによって起きる混沌の方が面白いなぁ。オタク好きする小ネタも生き生きしてるし。
ラシュモア山が傑作。
「SFマガジン・表紙ギャラリー」は73〜79年。
「大森望の新SF観光局」は、柴野拓美先生との思い出。
「堺三保のアメリカン・ゴシップ」は、アメコミの話。
「デッド・フューチャーReMix」は、宇宙進出による戦争。
いつまで経ってもおんなじような戦争をしてるんだから、ガンダムは嫌な話だなぁ。
「SF挿絵画家の系譜」は、角田純男。
まだやってなかったか。SFの表紙では一番好きだなぁ。
「サはサイエンスのサ」は、こちらも柴野拓美追悼。
で、来月は……
「サイバーカルチャートレンド」は、タブレットPC
「センス・オブ・リアリティ」は、
金子隆一は、現在の気象と気象考古学
香山リカは、日米医療保険制度
「MAGAZINE REVIEW」は〈インターゾーン〉誌
"The Festival of Tethselem"クリス・バトラー
"Here We Are, Falling Through Shadows"ジェイスン・サンフォード
が面白そうだった。
「[新版]世界SF全集を編む」第2回
書き手も読み手も、リストで喜んじゃうのはオタクだなぁ(笑)
「黄昏の薄明かりの向こうへ」第2回
異世界はどれくらい遠いのか。
来月はクトゥルー新世紀
スプロール・フィクションと秋のファンタジー以外だと、ワンテーマ特集は久々じゃない?
最近は追悼特集ばかりだもんなぁ。