UNLIKELY PROGENY
- 作者: リンダキルト,ミヒャエルゾーヴァ,Linda Quilt,Michael Sowa,二宮千寿子
- 出版社/メーカー: 三修社
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 単行本
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ミヒャエル・ゾーヴァの挿絵目的で買ったんだけど、なかなかの異色短篇集。
・「幼子の口から」
叔母さんに、嘘をついたら口からカエルが出る呪いをかけられた少女。
カエルを見られたくないため、正直にならざるを得ず、周りから浮いた存在に。
成長し、両生類研究の大学に進学するが……
・「回想録」
帳簿から消えた金を追求される男。
全く記憶にないという。
彼は幼い頃から、ひどく忘れっぽかった。
・「ふつうすぎたノーム」
あまりにも普通すぎて、誰の記憶にも残らないノーム。
ある日、彼は自分の足が速いことに気づく。
しばらくして、オリジナルの走方を身につけるが……
・「狡猾な赤ん坊」
姉妹で見分けがつかないほどソックリな双子の赤ちゃん。
しかし、実は姉は超天才児だった。
政府にそれが知られ、研究対象なるが……
・「蒸発」
ビーゴンと名付けられた口数少ない少年。
ある日、自分の名を言うと、目の前にあるものが消えてしまうことに気づく。
・「眠り姫」
1日のほとんどを寝ている少女。
彼女はそのまま成長し、仕事中も寝てしまう始末で……
・「存在の限りない軽さ」
風船のように浮いてしまう少年。
彼は成長し、寺院の絵画の修復家となるが……
物語の発端も、オチもすべてがワンアイデアだけで完結しているのがいいなぁ。そのほとんどがなんじゃそりゃ的な能力で、それを生きる糧にするのもいい。
子どもはみんなそれぞれ違うのが当たり前で、それぞれの個性を伸ばしていくべき、というメッセージ? いや、ただ面白いだけだろうな(笑)
お気に入りは、「幼子の口から」「蒸発」「存在の限りない軽さ」あたり