FROZEN RIVER

フローズンリバー』鑑賞

ニューヨーク州最北部の町で二人の息子を育てるレイ。新居を買うための金をギャンブル依存症の夫に持ち逃げされてしまう。夫を捜す途中で、ひょんなことからモホーク族のライラと知り合う。彼女は凍った川をカナダに渡り、不法移民を密入国させる仕事を仕事をしていた。金が必要なレイはそれに協力することになるが……

モホーク族居留地、凍った川、夫がいない二人の女性、というこの映画を特徴づけている設定が絶対不可欠で、それを省略や代替することができない脚本は巧み。
二人の主役の言葉は少ないけど疲れた表情と、ホントに寒そうな景色も素晴らしい。この川さえ凍る寒さが、様々な意味で生命線になってるんだよね。不法移民の仕事も、大それたことではなく、普通に暖かく暮らしたいという思いから始めている。
ひじょうにしっかりと作られているんだけど、その分、驚きとかはないんだよなぁ。まさに堅実。ハプニングが起きるたびに、悪い方向、悪い方向へと転がっていくのを予想していた俺は、すっかり毒されています。サンダンスのグランプリ、タランティーノの絶賛でどんなひどい話(これをサンダンス・エフェクトという)かと思っていたら、普通にいい話(笑)
家のデリバリーって、日本では聞いたことない単語だよな。