THE INVENTION OF CLOUDS

雲の「発明」―気象学を創ったアマチュア科学者

雲の「発明」―気象学を創ったアマチュア科学者

『雲の「発明」―気象学を創ったアマチュア科学者』リチャード・ハンブリン〈扶桑社〉


雲が科学的に分類されたのは19世紀初頭になってから、それも薬屋と家族を養う傍らの、ルーク・ハワードという素人研究者によるものだった!


と書くとそそられるんだけど、ちょっと期待はずれ。
数学関係の読み物に出てくるキャラクター(数学者)が、メインから脇役に至るまで、かなりのキチガイぶりを見せてくれて、ひじょうに楽しいんだけど、こちらは人格も人生も普通、むしろいい人で、激しい挫折もなく、とんとん拍子に進んじゃうんだよな(笑)
そういう意味での楽しみは少ないんだけど、彼の分類と命名が一気に受け入れられた背景を考えるとなかなか面白い。当時は科学が「娯楽」として人気があり、講演会は常に満席。分類を提唱した研究者は他にもいたけど、彼は上手くこれに乗れた。ちなみに、ハワードの分類は今も使われているそうだ。
でも、やはり読み物としてのドラマチックさは弱い。
印象的なのは、ゲーテが超いい人(笑)