FRAGMENT

フラグメント超進化生物の島 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

フラグメント超進化生物の島 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

『フラグメント 超進化生物の島』ウォーレン・フェイ〈早川書房
「超」「進化」「生物」「島」と並べられたら、無視するわけにはいきませんがな。

世界中を航海し、知られざる自然を紹介するTV番組《シーライフ》。彼らが辿り着いたのは、十八世紀に発見されたものの、地図にも記載されていない絶海の孤島、ヘンダース島。人跡未踏の地の上陸に興奮するクルーたち。しかし、そこにいたのは独自の進化を遂げた攻撃的な動物や植物だった! 殺戮の模様はTVに流され、アメリカ政府は調査団を送り込むが、ハイテク機器でさえ無力。驚異的な繁殖力を持つ生物が一匹でも島を出れば、数十年以内に在来生物は絶滅してしまう。大統領は核攻撃の選択を迫られるが……

ガオー! グルルル! ……失礼、童心に帰ってました。
撮影クルーが遭遇したのは、「ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)」もしくは「フューチャー・イズ・ワイルド」……というか、多々良島(笑) しかも科特隊でも歯が立たないわけですよ。


ストーリーどうこう以前に、怪奇生物を愛でる小説。
もう、怪獣軍団が凄すぎ。初っ端から出し惜しみなく、過剰なまでに狂ったシムアニマル。途中に生物のスケッチが挿入されるのも嬉しい驚き。むしろ、図版多数の「ヘンダース島ガイド」にちょろっと文章が入っている程度でもいい位なのに(笑)
個人的には、ディスクアントがかなり好み。スピンオフできないかな?(できません)


ジュラシック・パーク』のように、人間たちが未知の生物に追い回される定番のサスペンスなんだけど、終盤近くの超展開は、それまでの雰囲気、緊張感を腰砕けにしてるよなぁ。個人的には全然アリだけどね(笑)アメリア・イアハートとかルシタニアとか出てきたら、そりゃ小躍りしちゃいますよ。
ラストは一昔前のB級ホラーのお約束を踏襲してくれるのかと思いきや、それがなかったのが残念。


怪獣好きにはオススメ。それ以外には……