CORONADO Stories

現代短篇の名手たち1 コーパスへの道 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

現代短篇の名手たち1 コーパスへの道 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

コーパスへの道』デニス・ルヘイン〈ハヤカワHM362-1〉
新シリーズ「現代短篇の名手たち」の第1弾。
全10巻とか言われたら、揃えずにはいられませんよ(笑)
こうでもないとなかなか手が伸びない作家なので、いい機会。

 収録作品

  • 「犬を撃つ」Running Out of Dog
  • ICUICU
  • コーパスへの道」Gone Down to Corpus
  • 「マッシュルーム」Mushrooms
  • 「グウェンに会うまで」Until Gwen
  • 「コロナド――二幕劇」Coronado : A Play in Two Acts
  • 「失われしものの名」The Names of the Missing

けっこう普通小説(ってなんだ?)風のテイスト。
破滅、破壊の先に平穏の光が射している、という作品が多い。
いいと思うんだけど、イマイチ趣味じゃないかなぁ。


お気に入りは、
・「ICU
 全く見知らぬ男たちに突然監視され、些細な知り合いにさえ、避けられるようになってしまった男。
 なんとか彼らをまいて、逃げ込んだのは……
 変な話好きとしてはこれが一番。
 どこに行っても見られている状況から、「あなたしか見ていない場所」へと逃げ込むことによって、ある種の幽霊と化した彼は、いつか人間に戻れるのだろうか?


・「コロナド――二幕劇」
 出所した息子と詐欺師の父、不倫関係の男女、医師と患者。
 パブにいる三組。
 彼らの人生が交差していく……
 「グウェンに会うまで」を元に書かれた戯曲。
 映像化したものが見てみたいなぁ。


・「失われしものの名」
 酔っぱらったまま姿をくらましてしまった女性を捜す男。
 途中、新種の感染症に冒された男と出会い、彼と会話することに。
 これも設定がちょっと変。
 近未来的大災害と病気を前提とした、悲劇と人生観の問答。


今後のラインナップは

やはり、ランズデールが一番楽しみ。
「ババ・ホ・テップ」はもちろんで、「ゴジラの十二工程プログラム」と「恐竜ボブのディズニーランドめぐり」が入ってなかったら怒っちゃうよ(笑)