LLAMADAS TELEFONICAS
- 作者: ロベルトボラーニョ,Roberto Bolano,松本健二
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2009/06
- メディア: 単行本
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EX LIBRIS第3弾!
収録作品
- 「センシニ」
- 「アンリ・シモン・ルプランス」
- 「エンリケ・マルティン」
- 「文学の冒険」
- 「通話」
- 「芋虫」
- 「雪」
- 「ロシア話をもう一つ」
- 「ウィリアム・バーンズ」
- 「刑事たち」
- 「独房の同志」
- 「クララ」
- 「ジョアンナ・シルヴェストリ」
- 「アン・ムーアの人生」
う〜ん。
『ジーザス・サン (エクス・リブリス)』『イエメンで鮭釣りを (エクス・リブリス)』が楽しめたんで、期待したんだけど、ちょっと趣味じゃなかったなぁ。
ダメな人の話は好きなんだけど、ここに出てくるのは普通に落ちていく人の話。また、一流だろうが三流だろうが、書き続けることが大切という、永遠の文学青年を描いた作品も多い。
ほとんどの作品がチリ政情を前提としており、そこに疎いため、イマイチ深いところまで飲み込めない。
気になった作品は、
・「センシニ」
たまたま応募した小説コンテストで3位入賞した男。
2位に自分がファンの作家が入っていて、それが元で文通し始める。
普通の話なんだけど、なぜか涙腺を刺激(笑)
・「エンリケ・マルティン」
下手くそな詩を書いている友人。
しばらくして、彼は詩をやめてオカルト雑誌を創刊する。
その後疎遠になるが、彼は何者かに追われているらしく、紙の束を手渡していくが……
『フーコーの振り子』のようでありながら、そことは全く別のベクトルのオチ。
実は、これもイマイチの見込めてない。
・「文学の冒険」
大嫌いな作家をモデルにして小説を書いたところ、その本人から好意的な書評が。
彼は気づいていないのか、それとも……
・「芋虫」
学校をさぼって町をぶらつく青年。
いつも公園のベンチにいる男と仲良くなる。
彼が語る故郷は……
・「ロシア話をもう一つ」
二次大戦中、手違いからドイツに送られてしまったセビーリャ人。
彼はドイツ語が全く喋れず、取り敢えず雑用係になる。
そこに侵攻してきたロシア軍に捉えられ、拷問に掛けられるが……
これが一番分かり易く、小咄系で好き。それを求める作家でない気もするけど。
・「刑事たち」
軍事政権下で刑事をやっていた二人。
ふと、中学時代の同級生が政治犯として捕まったときのことを思い出し……
これ、どう読んだらいいの!?
彼らがやってないと言っていないと口を合わせていることも、結局はやっていたということ?
誰か指南して!