INTO THE WILD

イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]

イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]

DVDでイントゥ・ザ・ワイルドを鑑賞

裕福な家庭に育ち、大学を優秀な成績で卒業したクリス。しかし、彼は物質文明を憎み、卒業と同時に、全てを捨て、アラスカの荒野に向かう旅に出る。その先で彼が見つけた真理は……

実話を元にした映画。
広大で美しいアメリカの自然、行く先々で出会う善良な人々。音楽も素晴らしく、2時間半と長いけど、それを全く感じさせない。
彼の行動を愚か、と片付けるのは簡単だけど、彼の旅には憧れる部分もあるし、色々と考えさせられる作品。
最後に至る道程を辿ると、彼は傲慢だったのかなぁ。
世間体ばかりを繕い、本当は醜い両親を憎んだクリス。しかし、相手も同じように自分を忘れるはずだと考える彼は愚かで、見た目が全てではないということを旅で学んだはずなのに、両親だけは見ず、最後にはその見た目に騙されることになる。
出会う人々は善良で、クリスに手を差し伸べてくれるが、彼はそれも無視する。一人で生きていけると思いつつ、彼は様々な人々に助けられていることに気づかない。そんな中、最後に出会った革細工師の老人は、クリスの鏡像であり、彼を変えたことで、クリスも変化を見せる。もしかしたら、そこでも心を変えなければ、ああいう結末は迎えなかったのかもしれない。ただ、人生の真理は見つからず、どちらがよかったのかわからないけど。
また、ヘラジカを狩ったのも失敗。必要な分以上にとってしまうというのは、彼が捨て去った物資文明・拝金主義=父親であり、それと同じ行為をして、自然が許すはずはないのだ。
最後になって、初めて、幸せは人と分かち合ってこそ、という真理に気づく様はあまりにも心を打つ。


アラスカに向かう理由は語られないけど、ジャック・ロンドン好きということと関係あるのかな?


隣人を愛さなかった報いを受け、その最後の姿は……とキリスト教的に読み解くこともできるかな。様々な解釈ができる映画で、是非見て欲しい。
オススメ。
原作(荒野へ (集英社文庫))も読んでみようかなぁ。