BABYLON BABIES

バビロン・ベイビーズ

バビロン・ベイビーズ

『バビロン・ベイビーズ』モーリス・G・ダンテック〈太田出版
『バビロンAD』は全くスルーしてたんだけど、帯を見て吃驚。
発売合わせてるし、そもそも題名がそうだよな(笑)

近未来、ベテラン傭兵のトオロプはロシアの情報将校から、ある女性の移送を依頼される。ロシアからカナダまで運ぶだけで、大金が得られる。しかし、彼女を巡って、シベリア・マフィア、カルト教団武装暴走族、ハッカーコミュニティが奪い合いを繰り広げる。はたして、彼女は何をもたらすのか?

分厚い創作同人? 過剰なまでに色々と詰め込んであるんだけど、それがサービスではなく、素人が自分の好きなものを削げずにいたような感じ。
書かれたのが99年で、舞台が2014年。読んでいるのが2009年というこの微妙なズレがまずいのか、近未来SFとも、サイバーパンクとも、どちらとしても説得力がなく、自分は今何を読んでいるのか? という変な読書感のまま、最後まで乗れずに終わってしまった。メリハリも、まとまりもない混沌を狙っていたのなら、成功しているような気もするけど。あえて言うなら「よげんの書」か?(笑) 
作中に出てくる作者(分身)と著書の扱いを見ていると、『イルミナティ』シリーズみたいな効果を意識しているような気もするけど、むしろ読んでて(ノ∀`)という感じ(笑)
あと、分裂症の認識がなんか変。罹るより発症の方がよくない? 多重人格がごっちゃになってるような……。


共通したキャラクターが出てくる著作が以前にあるようだけど、そちらはSFではない模様。