THE UNLIMITED DREAM COMPANY
- 作者: J.G.バラード,J.G. Ballard,増田まもる
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1993/07
- メディア: 文庫
- クリック: 17回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
追悼読書。
飛行機を操縦したこともないのに、セスナを盗み出した青年。郊外の小さな町に火だるまになって墜落。町の人々によって助け出された彼は、ブレイクと名乗る。なぜか町から出られず、彼は全て変容させる神通力が身についていることに気づく。怪我を治し、町を熱帯雨林に変え、人々を鳥や魚に変身させて共に飛び回る。そして、ブレイクが目指すものは……
射精小説(笑)
現代文明をレイプするという点ではかなり直接的。
マジック・リアリズム風なんだけど、どことなく硬質で全然違うんだよね。高速道路を変容できないところが、何か象徴的。
オススメされたものの、イマイチはまれないな〜、と思っていたら、ラストのビジョンは強烈。向こう側に突き抜けるんだけど、熾烈と当時に緩やか、熱く冷たく、極彩色でありながら、同時にモノトーンなイメージ。
幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)とかWATCHMEN ウォッチメン(ケース付) (ShoPro Books)と並べて語りたくなる。特に、全能とぶらり(笑)で、ブレイク=Dr.マンハッタンに見えちゃうなぁ。そういやみんなイギリス人ね。