SERIAL KILLER DAYS

連続殺人記念日 (海外文学セレクション)

連続殺人記念日 (海外文学セレクション)

『連続殺人記念日』デイヴィッド・プリル〈東京創元社 海外文学セレクション〉
葬儀よ、永久につづけ (海外文学セレクション)が良かったので着手。

ミネソタの小さな田舎町、スタンダード・スプリングズ。そこでは、20年前から毎年1件だけ殺人事件が起きる。町はその恐怖を売り物に、連続殺人記念祭を開催していた。現場のツアー、山車のパレード、クライマックスは“絶叫クィーン”コンテスト。そんな町に暮らすデビイは、今年がクィーンのラストチャンスなのに、まるで恐怖が感じられず、困り果てる日々。そんな中、ライバルが突然倒れ、保安官は今年こそ犯人を捕らえようと画策するが……

アメリカ版ひぐらし
前作同様、異様な世界での、生活と青春を描いた普通の物語。ちょっと違うのは、主人公がちょっとアウトサイダー気味(こちらの世界に近い)で、その彼女の成長物語になっている。
葬儀がメジャースポーツと化しているように、こちらは毎年必ず起きる殺人事件を観光化している町。犯人の正体はわからず、自分の知り合い(もしくは自分)が殺されるかもしれないのに、全てのベクトルは、それをネタにしたお祭りに向けられているという、前作よりも狂った世界。
小ネタは相変わらず笑えるんだけど、全体的にちょっと深みが足りない。アウトサイダーの主人公、ライバルが昏睡した理由、保安官の犯人捜し、あたりはもっと使えると思うんだけどなぁ。
ちなみに、ミステリじゃありません。