2009年5月号

S-Fマガジン 2009年 05月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2009年 05月号 [雑誌]

今月の表紙って、ムーン・ファンタジーへのオマージュ?


今月は、ディッシュ&ベイリー追悼特集
本当に訃報が多かった去年。
追悼特集は寂しいですが、今月は翻訳ものが多く、読み応えがあって嬉しい。


・「邪悪の種子」……バリントン・J・ベイリー
 22世紀、異星人とのファーストコンタクト。
 彼は不死身ですでに百万年も生きているという。
 彼は地球の生活に溶け込み、平穏に暮らすが、
 不死身の秘密に囚われた外科医は、なんとしてでも彼を解剖して、それを解き明かそうとするが……
 ある意味不死同士の、追いつ追われつの追跡劇。


・「神銃(ゴッド・ガン)」……バリントン・J・ベイリー
 博識で、発明家の友人。
 彼は神を殺す銃を発明したと言ってきた……


・「蟹は試してみなきゃいけない」……バリントン・J・ベイリー
 いつも酒場にたむろして、まだ知らぬ女の子のことを語り合う蟹の青年たち。
 メスと交尾できるのは、数千に2〜3匹の確率なのだが、それでも彼らは果敢にアタックする。
 これは傑作! 読者賞に入るだろうなぁ。
 コテコテの童貞青春もの。アメリカン・蟹・グラフティもしくはアメリカン・蟹・パイ、といった感じ(笑)
 ラストはまたしんみり。
 レッド・クラプは赤いシャツのリーゼントに自動脳内変換。


・「ナーダ」……トマス・M・ディッシュ
 特殊学級にいるナーダという少女。
 しかし、彼女は自分の知性を隠しているように見えた。
 ナーダの絵の才能に気づいた教師は、彼女を美術館に連れて行くが……
 割と普通のSFなんだけど、ラストのビジュアルはグロテスクだなぁ。


・「ダニーのあたらしいおともだち」……トマス・M・ディッシュジョン・スラデック
 両親と旅行中のダニー。
 一人でふらふらしていると、緑色の少年と出会う。
 二人で、自分の父親や遊びに行った場所の自慢をするが……
 ラストで吹いた。
 途中も、ブラックでいいなぁ。


・「ジョイスリン・シュレイジャー物語」……トマス・M・ディッシュ
 もう恋はしないと思っていた映画評論家のドナルド。
 しかし、ある日、延々と自主映画を撮り続けているブサイクの女の子に恋をして…… 


「大森望の新SF観光局」は、大学SF研


「デッド・フューチャーReMix」は、オニール計画つづき
緑の夢と鉄の夢の架け橋になったのは、宇宙トンデモさん。
さらにそこから、ミリタリーSF作家へとつながっていく。


「SF挿絵画家の系譜」は、追悼・斎籐和明


「サはサイエンスのサ」は、地球温暖化


「センス・オブ・リアリティ」は、
金子隆一は、軌道エレベーターのトップ研究者の素顔は……
香山リカは、不景気うつ、つづき。


「MAGAZINE REVIEW」は〈アシモフ〉誌
"Truth"ロバート・リード
"Way Down East"ティム・サリバン
が面白そう。


今月の30日に、久々のSFM増刊が出るんだけど、日本人作家オンリーだとなぁ……


来月はスプロール・フィクション特集V。