人獣怪婚
- 作者: 七北数人
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2000/12
- メディア: 文庫
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猟奇アンソロジー第2巻。
収録作品
神話やお伽噺の中では異類婚姻譚は普通なように、こちらもタブーが感じられず、幻想的な短篇が多い。もっとストレートに獣姦もの(あら、下品)と汚穢を期待してたんだけどなぁ。
そんな中でお気に入りは、
・「鶴」椿實
交尾を嫌がり、血まみれで死んだ鶴の雌。
それを見ていた少年は……
根源的な嫌悪感とエロスがない交ぜになった短篇。
題名のイメージと正反対のビジュアルも傑作。
・「獣舎のスキャット」皆川博子
少年院帰りの弟。
姉は、実家の店をずっと手伝ってきた来たにもかかわらず、
彼が相続するらしいことを知る。
少年院での秘密をネタに、弟の抹殺を考えるが……
「たぶん好きそう」と言われてましたが、直球でしたよ! エスパー?
題名からして、嗅覚を直撃。
いびつな近親相姦的感情、少年院での行為だけだったら、そこそこだったんだけど、ラストは、読みたかったのはまさにこれですよ! 様々な意味でおぞましくて最高。
……今年はピュア読書キャラで行こうと思ってたんだけどなぁ。
「白い少女」「美女と赤蟻」「心中狸」も悪くなかったんだけど、このアンソロジーに(勝手に)期待していたのとはちょっと違うんだよね。