IN BETWEEN THE SHEETS
- 作者: イアン・マッキューアン,富士川義之,加藤光也
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1983/12
- メディア: ?
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今頃、マキューアン初体験。
収録作品
- 「サイコポリス」Psychopolis
- 「行きつ戻りつ」To and Fro
- 「ベッドのなかで」In Between the Sheets
- 「情熱の果て」Dead As They Come
- 「二つの断章」Two Fragments : March 199-
- 「飼い猿の内省」Reffections of a Kept Ape
- 「ポルノグラフィー」Pornography
全作品に共通しているのは、淫靡で、倒錯的な空気。
ただ、個人的にはなんか合わない。崩壊した世界を描く「二つの断章」、ベストセラーになった処女作以降書けなくなった女流作家とその愛人の猿の物語「飼い猿の内省」とか、成分の50%は気に入ったんだけどなぁ、という感じ。
訳されている本は多いから、何冊か読んで見極めたいところ。
そんな中で気に入ったのは、
・「ベッドのなかで」
離婚した妻と暮らす娘が週末にやってくる。
友達も一緒だというのだが、それは小人症の少女だった。
夜、二人の寝室から聞こえてきたのは……
同性愛、近親相姦的感情、触れてはいけないような小人の少女。
どちらに進んでもインモラルな、気怠い空気。
それとも、そう思うのは受け手で、娘は他意もなく純粋なのか?
・「情熱の果て」
成功を続ける富豪。
彼が一目惚れしたのは、マネキン人形だった。
彼女を買い取り、幸せな生活を送る。
しかし、ある日、彼女の様子がどうもおかしい……
これはオススメ。
笑い、キモい、怖いと三拍子(笑)
最初はマネキンなんだから黙ってて当たり前じゃん! とツッコミを入れるも、
徐々に彼に何が見えているのかわからなくなり、
彼女が口を利いてくれないことに対する不安が伝わってくる。
・「ポルノグラフィー」
二人の看護婦と付き合っている男。
一方は内気な年下で、もう一人は年上で倒錯的なセックスを好む。
しばらく会えず、久々に年上の彼女に連絡すると、何も訊かずに歓迎してくれて……
ショッキングな展開だけど、今読むと珍しくなくなっちゃってるなぁ。
30年前にこれを書いたのはセンセーショナルか。