THE 47TH SAMURAI

『四十七人目の男』スティーヴン・ハンター〈扶桑社ミステリー ハ19-14、15〉
スワガー-サン、トシロー・ミフネになる。

60歳になろうとしているスワガーは、アイダホ州の未開地で開墾に精を出していた。そこへ矢野という日本人が訪れてくる。彼の父親は硫黄島で玉砕し、その時に持っていた軍刀をスワガーに探して欲しいというのだ。どうやら、彼の父とスワガーの父は、そこで直接対決をしたらしいのだ。矢野に好意を覚えたスワガーは、地道な調査の結果、それらしき軍刀を見つけ、来日する。温かく迎えられ、穏やかな日々を過ごすスワガー。しかし、帰国の夜、矢野一家が惨殺され、刀は何者かに奪われてしまう。どうやら、由緒ある古刀を作り替えたものと判明。スワガーは仇を討つため、道場で剣術の修行を始める。はたして、敵の正体と目的は?

それ、なんて80年代ビデオ?
最初の献辞で、もう面白い。スワガー・シリーズは1冊も読んだことないんだけど、確実に異色作だと思います(笑)『キル・ビル』の日本パートだけを読んでる感じ。
物語よりも、個々のパーツの印象が強すぎて、ツッコミどころしか覚えてないよ。一つ一つの描写はけっこう正確だと思うんだけど、馴染んでなくて、まさに混沌。異様な街としての新宿の描写と、刀とサムライの神聖視は海外作家ならではか。御定書百ヶ条とか、主犯者に切腹を迫るとか、まさか、今の日本でも行われていると思ってるんじゃなかろうね?
サムライ映画と日本刀の蘊蓄を披露するのがよほど嬉しいのか、延々と続く一方で、ハンターはよほど女教師のブロージョブがお気に召した様子(笑)
それにしても、陰謀が小っちぇ〜。海外の読者は納得してるのか?
日本のAV業界がハリウッド並だと思っておられる様子で、プロモーションとかロビー活動とか、かなり金をばらまいてます。でも、勲章はたぶん無理。
気になるポイントは無数にあるんだけど、フィリップ・矢野はハーフ? 彼をハーフにする必然性がまるでないんだけど。日本人の名前が思いつかなかったはずはないよなぁ。あと、スワガーが気持ち悪がってる焼き鳥はなんだろ? 手羽先か軟骨? コモドとカマドは日本人でも気づきません。
ストーリーはたぶん普通のアクションものなんじゃないの?(なげやり)
っつーか、最強の狙撃手なんだから、撃っちゃえばいいのに。